![]() 燃料電池による電力発生方法
专利摘要:
本発明は固体酸化物型燃料電池システムによる発電方法に関する。水素を含有する第1及び第2のガス流を独立して選択された速度で固体酸化物型燃料電池のアノードに供給する。第1及び第2のガス流を固体酸化物型燃料電池の1個以上のアノード電極で酸化剤と混合し、発電する。水素と水分を含有するアノード排気流を燃料電池のアノードから分離し、水素を含有する第2のガス流をアノード排気流から分離し、燃料電池のアノードに戻す。第1及び第2のガス流を燃料電池に供給する速度は燃料電池が高電力密度を発生するように選択される。 公开号:JP2011507215A 申请号:JP2010539670 申请日:2008-12-15 公开日:2011-03-03 发明作者:エリック・エドウィン・エングウォール;ジンギユ・キュイ;スコット・リー・ウェーリントン;マヘンドラ・ラドハラム・ジョシ 申请人:シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイShell Internationale Research Maatschappij Besloten Vennootshap; IPC主号:H01M8-04
专利说明:
[0001] 本発明は電力発生用燃料電池システムと、電力発生方法に関する。特に、本発明は電力発生用固体酸化物型燃料電池システムと、このようなシステムによる電力発生方法に関する。] 背景技術 [0002] 固体酸化物型燃料電池は電気化学反応から電力を直接発生する固体素子から構成される燃料電池である。このような燃料電池は高品質で確実な電力を供給し、クリーンに動作し、比較的小型な発電機であるため、都市部での使用に魅力的であるという点で有用である。] [0003] 固体酸化物型燃料電池はアノードと、カソードと、アノードとカソードの間に挟まれた固体電解質から形成される。酸化性燃料ガス、又は燃料電池中で酸化性燃料ガスに改質することが可能なガスをアノードに供給し、酸素含有ガス、一般には空気をカソードに供給し、化学反応体を提供する。アノードに供給される酸化性燃料ガスは一般に合成ガスであり、酸化性成分である分子状水素と一酸化炭素の混合物である。燃料電池は高温、一般に650℃〜1000℃で運転され、酸素含有ガス中の酸素をイオン酸素に変換し、電解質を通過させ、アノードで燃料ガスからの水素及び/又は一酸化炭素と相互作用させる。カソードにおける酸素からがイオン酸素への変換と、アノードにおけるイオン酸素と水素及び/又は一酸化炭素の化学反応により電力を発生する。以下の反応式は電池における電力発生化学反応を示す。 カソード電荷移動:O2+4e− → 2O− アノード電荷移動:H2+O− → H2O+2e− 及び CO+O− → CO2+2e− アノードとカソードの間に電流が流れるようにアノードとカソードの間に電気負荷又は蓄電装置を接続すると、電気負荷に給電又は蓄電装置に電力を提供することができる。] [0004] 燃料ガスは一般に低分子量炭化水素と水蒸気を水素と炭素酸化物に改質する水蒸気改質反応器によりアノードに供給される。例えば天然ガス中のメタンは燃料電池用の燃料ガスを生成するために使用される好ましい低分子量炭化水素である。あるいは、燃料電池のアノードに供給されるメタン等の低分子量炭化水素と水蒸気に内部で水蒸気改質反応を実施するように燃料電池アノードを設計してもよい。] [0005] メタン水蒸気改質は以下の反応式:CH4+H2O ⇔ CO+3H2に従って水素と一酸化炭素を含有する燃料ガスを生じる。一般に、水蒸気改質反応は実質的な量のメタンと水蒸気を水素と一酸化炭素に変換するために有効な温度で実施される。水性ガスシフト反応で水蒸気と一酸化炭素を水素と二酸化炭素に変換することにより水蒸気改質反応器で更に水素生成を行うことができる。水性ガスシフト反応では以下の反応式:H2O+CO ⇔ CO2+H2に従って水素と二酸化炭素が形成される。しかし、固体酸化物型燃料電池に燃料ガスを供給するために使用される従来の水蒸気改質反応器では、水蒸気改質反応による一酸化炭素と水素の生成を強く助長し、水性ガスシフト反応による水素と二酸化炭素の生成を阻害するような温度で水蒸気改質反応器を運転するので、水性ガスシフト反応により水素は殆ど生成されない。燃料電池で電気エネルギーを提供するために一酸化炭素を酸化させることはできるが、二酸化炭素を酸化させることはできないので、炭化水素と水蒸気から水素と一酸化炭素への改質を助長し、一酸化炭素と水蒸気からより多量の水素と二酸化炭素へのシフト反応を阻害する温度で改質反応を実施することが一般に燃料電池に燃料を提供する好ましい方法であると認められている。従って、外部又は内部から水蒸気改質によりアノードに一般に供給される燃料ガスは水素と、一酸化炭素と、少量の二酸化炭素、未反応メタン、及び水蒸気としての水分を含有している。] [0006] しかし、一酸化炭素等の水素以外の化合物を含有する燃料ガスはより純粋な水素燃料ガス流よりも固体酸化物型燃料電池で電力を発生する効率が低い。所与温度において、固体酸化物型燃料電池で発生することができる電力は水素濃度の増加と共に増加する。これは他の化合物に対する分子状水素の電気化学的酸化ポテンシャルによる。例えば、分子状水素は0.7ボルトで1.3W/cm2の電力密度を発生することができるが、一酸化炭素は0.7ボルトで0.5W/cm2の電力密度しか発生することができない。従って、有意量の水素以外の化合物を含有する燃料ガス流は主に水素を含有する燃料ガスほど固体酸化物型燃料電池における電力発生に効率的ではない。] [0007] しかし、固体酸化物型燃料電池は一般に「水素希薄」方式で商業的に運転され、例えば水蒸気改質による燃料ガス生成条件は燃料電池から燃料ガス中に排出される水素量を制限するように選択される。これは燃料ガス中の水素の電気エネルギーポテンシャルを電気エネルギーに変換されずに電池から排出される水素により失われる(電気化学+熱)ポテンシャルエネルギーと平衡させるように実施される。] [0008] 燃料電池から排出される水素のエネルギーを取り戻すために所定の対策が講じられているが、これらは水素を燃料電池で電気化学的に反応させた場合よりもエネルギー効率が著しく低い。例えば、燃料ガスを燃料電池で電気化学的に反応させることにより生成されるアノード排気を燃焼させてタービンエキスパンダを駆動し、発電している。しかし、エキスパンダにより電気エネルギーに変換されるよりも多量の熱エネルギーが失われるので、これは燃料電池で水素の電気化学ポテンシャルを獲得するよりも著しく効率が低い。燃料電池から排出される燃料ガスを燃焼させて各種熱交換用途の熱エネルギーも提供されている。しかし、このような熱交換用途では燃焼後に熱エネルギーのほぼ50%が失われる。水素は非効率的なエネルギー回収システムで利用されるバーナーを着火させるために使用される非常に高価なガスであるため、従来では、電力を発生させるために燃料電池に提供される水素の大部分を利用し、燃料電池から燃料電池排気中に排出される水素量を最少にするように、固体酸化物型燃料電池で使用される水素量を調節している。] [0009] 米国特許出願公開第2007/0017369号(’369公開)は燃料電池の燃料入口に原料を提供する燃料電池システムの運転方法を記載している。原料は外部水蒸気改質器から提供される水素と一酸化炭素の混合物でもよいし、あるいは燃料電池スタックの内部で水素と一酸化炭素に改質される炭化水素原料でもよい。燃料電池スタックは電力と、水素と一酸化炭素を含有する燃料排気流を生成するように運転され、燃料排気流中の水素と一酸化炭素は燃料排気流から分離され、原料の一部として燃料入口に戻される。従って、燃料電池の燃料ガスは炭化水素燃料源と、燃料排気システムから分離された水素と一酸化炭素を改質することにより誘導される水素と一酸化炭素の混合物である。燃料排気からの水素の少なくとも一部を燃料電池に再循環させると、高い運転効率を達成することができる。システムは更にスタックを1回通過する間に燃料の約75%を利用することにより燃料電池における高い燃料利用率を提供する。] [0010] 米国特許出願公開第2005/0164051号は燃料電池の燃料入口に燃料を提供する燃料電池システムの運転方法を記載している。燃料は炭化水素燃料(例えばメタン、水素及び他のガスと共にメタンを含有する天然ガス、プロパン、合成ガス、改質器からの水素燃料と混合した未改質炭化水素燃料)、又は一酸化炭素、二酸化炭素、酸素化炭素含有ガス(例えばメタノール)等の炭化水素以外の炭素含有ガスもしくは他の炭素含有ガスと水素含有ガス(例えば水蒸気や合成ガス)の混合物とすることができる。燃料電池スタックは電力と、水素を含有する燃料排気流を生成するように運転される。利用されなかった水素を燃料電池の燃料側排気流から分離するために水素分離器を利用する。水素分離器により分離された水素は燃料電池に再循環させてもよいし、他の水素需要用途用サブシステムに送ってもよい。燃料電池に再循環される水素量は電力需要又は水素需要に従って選択することができ、電力需要が高いほど多量の水素が燃料電池に再循環される。燃料電池スタックは電力需要に応じて0〜100%の燃料利用率で運転することができる。電力需要が高い場合には、発電量を増加するように高い燃料利用率で燃料電池を運転し、好ましい利用率は50〜80%である。] 発明が解決しようとする課題 [0011] 発電用固体酸化物型燃料電池システムと固体酸化物型燃料電池による発電方法の効率と電力密度を更に改善することが望ましい。] 課題を解決するための手段 [0012] 1側面において、本発明は、水素を含有する第1のガス流を選択された速度で固体酸化物型燃料電池のアノードに供給する段階と;水素を含有する第2のガス流を選択された速度で固体酸化物型燃料電池のアノードに供給する段階と;アノードにおいて固体酸化物型燃料電池の1個以上のアノード電極で第1のガス流と第2のガス流を酸化剤と混合し、少なくとも0.4W/cm2の電力密度で発電する段階と;水素と水分を含有するアノード排気流を固体酸化物型燃料電池のアノードから分離する段階と;第2のガス流をアノード排気流から分離する段階を含み、前記第2のガス流がアノード排気流から分離された水素を含有しており、燃料電池で形成される水分量とアノード排気中の水素量の比が最大で1.0となるように、第1のガス流と第2のガス流をアノードに供給する速度を独立して選択する発電方法に関する。] [0013] 別の側面において、本発明は、水素を含有する第1のガス流を選択された速度で固体酸化物型燃料電池のアノードに供給する段階と;水素を含有する第2のガス流を選択された速度で固体酸化物型燃料電池のアノードに供給する段階と;アノードにおいて固体酸化物型燃料電池の1個以上のアノード電極で第1のガス流と第2のガス流を酸化剤と混合し、少なくとも0.4W/cm2の電力密度で発電する段階と;水素と水分を含有するアノード排気流を固体酸化物型燃料電池のアノードから分離する段階と;第2のガス流をアノード排気流から分離する段階を含み、前記第2のガス流がアノード排気流からの水素を含有しており、アノード排気流が少なくとも0.6モル分率の水素を含有するように、第1のガス流と第2のガス流をアノードに供給する速度を独立して選択する発電方法に関する。] [0014] 別の側面において、本発明は、水素源を含有する第1のガス流を選択された速度で固体酸化物型燃料電池のアノードに供給する段階と;水素を含有する第2のガス流を選択された速度で固体酸化物型燃料電池のアノードに供給する段階と;アノードにおいて第1のガス流を改質し、水素を得る段階と;アノードにおいて固体酸化物型燃料電池の1個以上のアノード電極で改質した第1のガス流と第2のガス流を酸化剤と混合し、少なくとも0.4W/cm2の電力密度で発電する段階と;水素と水分を含有するアノード排気流を固体酸化物型燃料電池のアノードから分離する段階と;第2のガス流をアノード排気流から分離する段階を含み、前記第2のガス流がアノード排気流からの水素を含有しており、燃料電池で形成される水分量とアノード排気中の水素量の比が最大で1.0となるように、第1のガス流と第2のガス流をアノードに供給する速度を独立して選択する発電方法に関する。] 図面の簡単な説明 [0015] 本発明の方法を実施するための本発明のシステムの模式図である。] [0016] 本発明の方法を実施するための改質反応器を含む本発明のシステムの模式図である。] [0017] 本発明の方法を実施するための予備改質反応器と改質反応器を含む本発明のシステムの模式図である。] [0018] 水素分離装置を改質反応器の外側に配置した本発明のシステムの一部の模式図である。] [0019] 本発明の方法による本発明の基本的発電システムの模式図である。] [0020] 水素分離装置を改質反応器の外側に配置した本発明の方法による本発明の基本的発電システムの模式図である。] 実施例 [0021] 本発明は固体酸化物型燃料電池を利用するシステムにおいて高電力密度で発電するための高度に効率的な方法と、このような方法を実施するためのシステムを提供する。] [0022] 本発明の方法は水素リッチな燃料を利用し、燃料電池の1パス当たり燃料利用率を最大ではなく最少にすることにより、従来技術に開示されているシステムよりも高い電力密度を固体酸化物型燃料電池システムで発生するものであり、これは燃料電池の燃料排気から回収される水素を分離し、再循環させ、1パス当たり燃料利用率を最少にするように選択された速度で原料と再循環流から水素を供給することにより達成される。] [0023] 本発明の方法では、電気化学反応に利用可能なアノード電極における水素濃度をアノード経路長全体にわたって高レベルに維持するようにアノードの経路長全体にわたって固体酸化物型燃料電池のアノードに水素を多量に供給することにより、燃料電池の電力密度を最大にする。水素は固体酸化物型燃料電池システムで一般に使用されている他の酸化性化合物(例えば一酸化炭素)よりも電気化学ポテンシャルが有意に高いため、本方法では主に水素からなり、好ましくはほぼ全体が水素からなる水素リッチな燃料を使用し、燃料電池システムの電力密度を最大にする。] [0024] 本発明の方法は更に固体酸化物型燃料電池における燃料の1パス当たり燃料利用率を最大ではなく最少にすることにより、燃料電池システムの電力密度を最大にする。アノード経路長全体にわたって高い水素濃度を維持するように燃料電池のアノード経路長全体にわたって酸化生成物、特に水分の濃度を低下させるように1パス当たり燃料利用率を最少にする。アノード電極には燃料電池のアノード経路長全体にわたって電気化学反応のために過剰の水素が存在するので、燃料電池により高電力密度が提供される。高い1パス当たり燃料利用率(例えば60%を上回る燃料利用率)の達成を目的とする方法では、燃料が燃料電池の中間点を通過する前でも酸化生成物の濃度は燃料流の30%を上回る場合があり、燃料電池に提供される燃料がアノードを進行する間にアノード経路に提供される電力が有意に減少するように、燃料電池排気中の水素濃度の数倍にする場合もある。] [0025] 燃料電池で発電するために利用されない水素を燃料電池のアノード排気から分離し、燃料電池に連続的に再循環させるので、本発明の方法は更に非常に効率的である。この結果、電気エネルギーに変換されずに電池から排出される水素によるエネルギー損失に伴う問題を解消することにより、燃料の最低加熱値に対して高電力密度の発生が可能になる。] [0026] 本発明のシステムは燃料電池の電力密度を最大にするように固体酸化物型燃料電池のアノード電極における水素濃度をアノード経路長全体にわたって高レベルに維持するように、水素リッチな燃料で固体酸化物型燃料電池に水素を多量に供給できるように設計される。本システムは改質反応器と固体酸化物型燃料電池のアノードの間に配置された水素分離装置を含み、前記水素分離装置は改質ガスから水素を分離し、燃料電池のアノードに水素を提供するために利用することができる。燃料電池の燃料が水素である場合には排気は主に水素と水分から形成されるので、システムは更に、好ましくはアノード排気から脱水後に燃料電池のアノード排気を燃料電池のアノードに再循環させるように設計される。水素を燃料電池のアノードに再循環させることにより燃料電池から排出される水素の電気化学ポテンシャルを低下せずにアノード経路長全体にわたって水素を高濃度に維持することができる。] [0027] 本明細書で使用する「水素」なる用語は特に指定しない限り、分子状水素を意味する。] [0028] 本明細書で使用する「水素源」なる用語は遊離水素を発生させることが可能な化合物を意味し、例えばメタン等の炭化水素、又はこのような化合物の混合物(例えば天然ガス等の炭化水素含有混合物)が挙げられる。] [0029] 本明細書で使用する「単位時間当たりに燃料電池で形成される水分量」は以下のように計算される:単位時間当たりに燃料電池で形成される水分量=[測定時間単位当たりに燃料電池から燃料電池のアノード排気中に排出される水分量の測定値]−[測定時間単位当たりに燃料電池のアノードに供給される燃料中に存在する水分量]。例えば、燃料電池のアノードに供給される燃料中の水分量と燃料電池からアノード排気中に排出される水分量の測定に2分間かかり、アノードに供給される燃料中の水分量の測定値が6モルであり、燃料電池からアノード排気中に排出される水分量の測定値が24モルであるならば、本明細書で計算した燃料電池で形成される水分量は、(24モル/2分)−(6モル/2分)=12モル/分−3モル/分=9モル/分である。] [0030] 本明細書で2個以上の要素について「作動的に接続」又は「作動的に連結」と言う場合には、要素が要素間に直接又は間接的な流体流動を可能とるように直接又は間接的に接続されているという意味である。本明細書で使用する「流体流動」なる用語は気体又は流体の流動を意味する。2個以上の要素について「選択的に作動的に接続」又は「選択的に作動的に連結」と言う場合には、要素が要素間に選択された気体又は流体の直接又は間接的な流動を可能とするように直接又は間接的に接続されているという意味である。「作動的に接続」又は「作動的に連結」の定義で使用する「間接的な流体流動」なる用語は、流体又は気体が定義下の2個の要素間を流動する間に流体又は気体の1個以上の側面を変化させるように、定義下の2個の要素間の流体又は気体の流動を1個以上の別の要素により誘導できることを意味する。間接的な流体流動で変化させることができる流体又は気体の側面としては、気体もしくは流体の温度や圧力等の物理的特性、及び/又は気体もしくは流体の組成が挙げられ、例えば水蒸気を含有するガス流から水分を凝縮させることにより、例えば気体又は流体の成分を分離することにより変化させることができる。本明細書に定義する「間接的な流体流動」は、化学反応(例えば流体又は気体の1種以上の成分の酸化又は還元)により定義下の2個の要素間の気体又は流体の組成を変化させることを除外する。] [0031] 本明細書で使用する「選択的に水素透過性」なる用語は分子状水素又は元素状水素に対して透過性であり、水素以外の成分又は化合物の最大で10%、又は最大で5%、又は最大で1%が分子状又は元素状水素に対して透過性の物質を透過する程度まで他の成分又は化合物に対して不透過性であるとして定義される。] [0032] 本明細書で使用する「高温水素分離装置」なる用語は少なくとも250℃の温度、一般には300℃〜650℃の温度で分子状又は元素状の水素をガス流から分離するために有効な器具又は装置として定義される。] [0033] 固体酸化物型燃料電池の燃料中の水素の利用に関して本明細書で使用する「1パス当たり水素利用率」とは、固体酸化物型燃料電池を1回通過する間に燃料電池に投入される燃料中の合計水素量に対して発電するために利用される燃料中の水素量として定義される。1パス当たり水素利用率は、燃料電池のアノードに供給される燃料中の水素量を測定し、燃料電池のアノード排気中の水素量を測定し、燃料電池に供給される燃料中の水素量の測定値から燃料電池のアノード排気中の水素量の測定値を差し引き、燃料電池で使用される水素量を求め、燃料電池で使用される水素量の計算値を燃料電池に供給される燃料中の水素量の測定値で割ることにより計算することができる。1パス当たり水素利用率は1パス当たり水素利用率の計算値に100を掛けることにより百分率として表すことができる。] [0034] 以下、図1を参照し、本発明の方法を説明する。本発明の1方法では、水素又は水素源を含有する第1のガス流を配管1から固体酸化物型燃料電池5のアノード入口3に供給する。固体酸化物型燃料電池5への第1のガス流の流速を選択及び制御するために定量弁7を使用することができる。1態様では、第1のガス流は少なくとも0.6、又は少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9、又は少なくとも0.95、又は少なくとも0.98モル分率の水素を含有することができる。] 図1 [0035] 本発明の方法の1態様では、炭化水素を含有する原料から水素を生成する水素生成器9を配管1から固体酸化物型燃料電池5と作動的に接続することができ、水素生成器9は固体酸化物型燃料電池5に供給する第1のガス流を生成することができ、又は水素と1種類以上の他の化合物を含有する生成物ガスを生成し、水素を含有する第1のガス流を分離した後に固体酸化物型燃料電池5に供給することができる。本発明の方法の目的では、「1種類以上の炭化水素を含有する原料から水素を含有する第1のガス流を生成する」なる用語は、例えば水素と1種類以上の他の化合物を含有する生成物ガスを形成することにより第1のガス流を直接生成する方法と、例えば原料の水蒸気改質又は原料の触媒部分酸化により先ず原料から生成物ガスを生成した後に第1のガス流を生成物ガスから分離することにより間接的に第1のガス流を生成する方法を意味する。水素生成器9は炭化水素改質反応器、高温水素分離装置と作動的に連結もしくは一体化した炭化水素改質反応器、触媒部分酸化反応器、又は高温水素分離装置と作動的に連結した触媒部分酸化反応器とすることができる。あるいは、第1のガス流を配管1から燃料電池5のアノード入口3に提供するように水素貯蔵タンク等の直接水素源を固体酸化物型燃料電池5に作動的に接続してもよい。] [0036] 水素生成器9が炭化水素改質反応器である場合には、炭化水素改質反応器は1種類以上の炭化水素と水蒸気を水素と炭素酸化物に変換する任意の適切な装置とすることができ、反応を実施するために必要なエネルギーを低下させるために従来の改質触媒を添加することが好ましい。好ましくは改質触媒の汚染を避けるために炭化水素原料から硫黄の除去後に、炭化水素原料、好ましくは低分子量炭化水素又は低分子量炭化水素の混合物と水蒸気を反応のために炭化水素改質反応器に供給する。好ましくは、炭化水素原料はメタン含有ガス流であり、炭化水素改質反応器は水蒸気改質反応によりメタン含有ガス流を水素と炭素酸化物に改質するための水蒸気改質反応器である。改質反応器は更に水性ガスシフト反応を実施し、水蒸気改質反応器を運転する温度に依存して、改質反応の結果として存在する水蒸気と一酸化炭素から更に水素を生成することができる。水蒸気改質反応器は650℃〜1000℃の温度、あるいは下記のように高温水素分離装置と併用する場合には400℃〜650℃の温度で運転して改質反応を実施し、メタン又は他の炭化水素ガスを水素と炭素酸化物に変換することができる。水素と炭素酸化物を生成するメタン/炭化水素水蒸気改質反応は非常に吸熱性であるため、高温を使用するほうが水素生成に有利である。1態様では、天然ガスを2.5MPa〜3MPaの圧力で改質反応器に供給し、800℃〜1000℃の温度で水蒸気と反応させ、水素と一酸化炭素を含有する改質生成物ガスを生成し、第1のガス流として配管1から燃料電池5のアノード11に供給することができる。] [0037] 1態様において、水素生成器9はガス状炭化水素を含有する原料を改質するための炭化水素改質反応器と、液体炭化水素を含有する原料前駆体を気化、分解、及び/又は改質し、原料を形成するための予備改質反応器を連結したものとすることができる。大気圧下に0℃〜350℃の温度で液体の炭化水素を含有する原料前駆体を予備改質反応器に供給し、400℃〜1000℃の温度で水蒸気と反応させることができる。水蒸気と原料前駆体の比が少なくとも2、又は少なくとも3、又は少なくとも4、又は少なくとも5となるように原料前駆体と水蒸気を予備改質反応器で好ましくは予備改質触媒と接触させながら混合し、原料前駆体を気化させ、場合により分解及び/又は改質してガス状炭化水素原料を形成し、改質反応器に供給することができる。1態様において、予備改質反応器で原料前駆体から生成されたガス状炭化水素原料は少なくとも50%、又は少なくとも60%、70%のメタンを含有することができる。] [0038] 好ましい1態様では、炭化水素改質反応器を高温水素分離装置と作動的に接続するか、又は改質反応器内に高温水素分離装置を内蔵する。高温水素分離装置は分子状又は元素状の水素に選択的に透過性のメンバーを含むことができる。好ましい1態様において、高温水素分離装置は選択的に水素透過性の膜を含む。1態様において、高温水素分離装置は選択的に水素透過性のパラジウム又はパラジウム合金で被覆した管状膜を含む。] [0039] 高温水素分離装置を反応器内に配置するのではなく、改質反応器と作動的に接続する場合には、水素と炭素酸化物を含有する改質反応器からの改質生成物ガスを高温水素分離装置と接触させて改質生成物ガス中の他の化合物から水素を分離するように、高温水素分離装置を改質反応器と作動的に接続する。高温水素分離装置により改質生成物ガスから分離された水素は第1のガス流として配管1から固体酸化物型燃料電池5のアノード11に供給することができる。] [0040] 高温水素分離装置を改質反応器に配置する場合には、改質生成物ガスが改質反応器の改質領域で高温水素分離装置の選択的に水素透過性のメンバーと接触し、改質反応が実施されるにつれて水素が改質領域から分離されるような位置に配置することができる。高温水素分離装置は改質反応器で高温水素分離装置により分離された水素を改質反応器から燃料電池5のアノード11に第1のガス流として供給するように、配管1を介して固体酸化物型燃料電池5のアノード11に作動的連結可能な水素出口をもつことができる。] [0041] 水蒸気改質反応器を水蒸気改質反応器と作動的に接続するか又は反応器に配置した高温水素分離装置と併用すると、1)第1のガス流の水素濃度を従来の水蒸気改質反応器により生成される濃度から本質的に水素単体までの範囲で選択する事が可能になり;2)水蒸気改質反応をより低温(例えば400℃〜650℃)で実施することが可能になり;3)反応器を運転可能な低温で水蒸気改質反応と水性ガスシフト反応の両者を反応器で生じることができ、これらの平衡反応は改質生成物からの水素の除去により完了するので、炭化水素燃料単位当たり従来の水蒸気改質反応器で可能な量よりも多量の水素を生成することが可能になる。] [0042] 方法の1態様において、水素生成器9は従来の改質触媒と、好ましくは選択的に水素透過性の1個以上の管状パラジウム被覆膜からなる高温水素分離装置を含む水蒸気改質反応器であり、水蒸気改質反応器への原料は水蒸気とメタン又は天然ガスに選択され、改質反応器の動作温度は400℃〜650℃に選択される。選択された温度で、改質反応器は原料に水蒸気改質反応を実施し、メタンと水分を水素と一酸化炭素に変換すると共に、水性ガスシフト反応を実施し、一酸化炭素と水蒸気を水素と二酸化炭素に変換する。水素分離装置は改質反応器で生成された水素を分離し、配管1から固体酸化物型燃料電池5のアノード入口3に第1のガス流として供給する。改質反応器から水素を分離し、改質反応と水性ガスシフト反応を推進し、原料と水蒸気から更に水素を生成する。あるいは、上記のように水素分離装置を改質反応器の外側に配置し、改質反応器を400℃〜650℃から選択される温度で運転し、水素分離装置により改質生成物から水素を分離して改質反応と水性ガスシフト反応を推進し、原料と水蒸気から更に水素を生成することもできる。] [0043] 方法の1態様では、改質反応器を高温水素分離装置と併用し、改質反応器の動作温度を650℃超から1000℃までに選択することができる。このような高温の動作温度は高温水素分離装置の性能を悪化させる恐れがあるので、これらの動作温度では、高温水素分離装置を改質反応器の外側に配置することが好ましい。1態様では、改質反応器の動作温度を650℃超に選択する場合に、熱交換器を改質反応器の出口と水素分離装置の間に作動的に接続し、改質反応器から排出される改質生成物ガスを水素分離装置と接触させる前に650℃以下の温度まで冷却することができる。熱交換器を使用し、改質反応器に流入する水蒸気又は原料、あるいは改質反応器に連結された予備改質反応器に流入する原料前駆体を冷却することができる。冷却した改質生成物ガス流を次に高温水素分離装置と接触させ、冷却した改質生成物ガス流から水素流を分離し、分離した水素流を第1のガス流として燃料電池5のアノード11に供給することができる。] [0044] 方法の別の態様において、水素生成器9は触媒部分酸化改質反応器とすることができる。水素生成器が触媒部分酸化改質反応器である場合には、部分酸化改質反応器は炭化水素原料と酸素源を燃焼させて水素と炭素酸化物とし、反応を実施するために必要なエネルギーを低下させるために従来の部分酸化触媒を含む任意の適切な装置とすることができる。酸素が原料中の炭化水素に対して化学量論的比を下回る比で存在するように、炭化水素原料(好ましくは天然ガス又はメタン、プロパン及びブタン等のガス状低分子量炭化水素と、ナフサ、ケロセン及びディーゼル等の液体低分子量炭化水素を含む低分子量炭化水素)と酸素源(好ましくは空気)を触媒部分酸化反応器に供給する。原料は触媒の汚染を防ぐように比較的硫黄を含まないようにすべきであり、従って、必要に応じて触媒部分酸化反応器に供給する前に炭化水素原料から硫黄を除去してもよい。炭化水素原料と酸素源を触媒部分酸化改質反応器で部分酸化触媒の存在下に一緒に燃焼させ、水素と一酸化炭素を含有する部分酸化生成物ガスを形成することができる。燃焼は800℃〜1000℃又はそれ以上の温度で実施することができる。部分酸化改質反応器で生成された水素と一酸化炭素を第1のガス流として固体酸化物型燃料電池5のアノード11に供給できるように、触媒部分酸化改質反応器を配管1から固体酸化物型燃料電池5のアノード11と作動的に接続することができる。] [0045] 1態様では、部分酸化生成物ガスを燃料電池5のアノード11に供給する前に熱交換により冷却することができる。部分酸化生成物ガスは熱交換器で熱交換することができ、部分酸化生成物ガスからの熱を使用し、改質反応器に流入する水蒸気又は原料、あるいは改質反応器に連結された予備改質反応器に流入する原料前駆体を冷却することができる。冷却した部分酸化生成物ガスを次に第1のガス流として燃料電池5のアノード11に供給することができる。] [0046] 方法の1態様において、水素生成器9は高温水素分離装置と作動的に接続した触媒部分酸化改質反応器である。高温水素分離装置は好ましくはパラジウムで被覆した選択的に水素透過性の管状膜から構成され、部分酸化改質反応器からの部分酸化生成物ガス中の炭素酸化物及び他の化合物から水素を分離できるように、部分酸化改質反応器の出口に作動的に接続することができる。部分酸化生成物ガスから分離された水素を固体酸化物型燃料電池5のアノード11に供給できるように、高温水素分離装置を配管1から固体酸化物型燃料電池5のアノード入口3に作動的に接続することができる。1態様では、熱交換器を介して触媒部分酸化反応器と高温水素分離装置を作動的に接続し、熱交換器は触媒部分酸化反応器からの生成物ガスが水素分離装置と接触する前に生成物ガスを650℃以下の温度まで冷却する。] [0047] 本発明の方法において、改質反応器や触媒部分酸化反応器等の水素生成装置9により生成される第1のガス流は少なくとも0.6、又は少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9、又は少なくとも0.95モル分率の水素を含有することができる。好ましくは上記のように高温水素分離装置で改質反応器又は触媒部分酸化反応器の反応生成物ガスから水素を分離することにより、このような多量の水素を含有する第1のガス流を固体酸化物型燃料電池5に提供することができる。1態様において、水素生成器7により生成される第1のガス流は燃料電池5のアノード11に供給時に350℃〜600℃の温度とすることができる。] [0048] あるいは、第1のガス流は水蒸気と、固体酸化物型燃料電池5のアノード11に供給される水素源として作用することができる低分子量炭化水素、好ましくはメタン又は天然ガスを含有する炭化水素原料でもよい。炭化水素原料と水蒸気を固体酸化物型燃料電池の内部で水素と炭素酸化物に改質し、燃料電池で発電するための燃料を提供する。1態様では、燃料電池5で吸熱性改質反応を推進するために熱を提供するように燃料電池5から排出されるアノード排気流と熱交換することにより、燃料電池5のアノード11に供給される水素源を含有する炭化水素原料を含む第1のガス流を少なくとも300℃、又は350℃〜650℃の温度まで加熱することができる。] [0049] 本発明の1方法では、水素を含有する第2のガス流を配管10及び1から固体酸化物型燃料電池5のアノード入口3を通ってアノード11に供給する。以下に更に詳述するように、第2のガス流はアノード排気流から生成される。燃料電池5に供給される第2のガス流は少なくとも0.8、少なくとも0.9、少なくとも0.95、又は少なくとも0.98モル分率の水素を含有することができる。燃料電池5のアノード11に供給される第2のガス流の流速を選択及び制御するために定量弁12を使用することができる。燃料電池5に供給する第2のガス流は第1のガス流と同一のアノード入口3に供給してもよいし、(図示のように)配管10と配管1を接続することによりアノード入口3に供給する前に第1のガス流と混合してもよいし、第1のガス流を燃料電池5に供給する入口とは別のアノード入口3から燃料電池5のアノード11に供給してもよい(図示せず)。] [0050] 本発明の方法において、固体酸化物型燃料電池5は好ましくは管状又は平坦形状をもつ従来の固体酸化物型燃料電池とすることができ、アノード11とカソード13と電解質15から構成され、電解質15はアノード11とカソード13の間に挿入され、両者と接触している。固体酸化物型燃料電池5は第1及び第2のガス流が積層型燃料電池のアノードを流れ、酸素含有ガスが積層型燃料電池のカソードを流れるように積層され、中間層により電気的に結合され、作動的に接続された複数の個別の燃料電池から構成することができる。本明細書で使用する「固体酸化物型燃料電池」なる用語は単独の固体酸化物型燃料電池又は作動的に接続もしくは積層された複数の固体酸化物型燃料電池として定義される。燃料電池は第1及び第2のガス流がアノード入口3からアノード排気口17まで燃料電池のアノード11を流れ、アノード入口3からアノード排気口17までアノード経路長全体にわたって1個以上のアノード電極と接触するように構成される。燃料電池は更に酸素含有ガスがカソード入口19からカソード排気口21までカソード13を流れ、カソード入口19からカソード排気口21までカソード経路長全体にわたって1個以上のカソード電極と接触するように構成される。電解質15は第1及び第2のガス流がカソードに流入するのを防ぎ、酸素含有ガスがアノードに流入するのを防ぎ、1個以上のアノード電極でアノードガス流中の酸化性化合物(例えば水素と場合により一酸化炭素)と電気化学反応させるためにイオン酸素をカソードからアノードに移送するように燃料電池に配置されている。] [0051] 燃料電池5で発電するために必要な反応体を提供するためにアノード又はカソードにガス流を供給する。上記のように、水素又は水素源を含有する第1のガス流と、水素を含有する第2のガス流を1個以上のアノード入口3から固体酸化物型燃料電池5のアノード11に供給する。酸素含有ガス源23から配管25を通って燃料電池5のカソード入口19に酸素含有ガス流を供給する。酸素含有ガス流を燃料電池5のカソード13に供給する速度を選択及び制御するために定量弁26を使用することができる。] [0052] 酸素含有ガス流は空気又は純酸素とすることができる。1態様において、酸素含有ガス流は少なくとも21%の酸素を含有する酸素リッチな空気とすることができる。酸素含有ガスは、好ましくは配管28を介して熱交換器27と接続された燃料電池5のカソード排気口21から排出される酸素欠乏カソード排気流と熱交換することにより、燃料電池5のカソード13に供給する前に熱交換器27で加熱することができる。1態様では、燃料電池5のカソード13に供給する前に酸素含有ガスを150℃〜350℃の温度まで加熱することができる。1態様では、熱交換器27とカソード入口19を介して燃料電池5のカソード13に作動的に接続されたエアーコンプレッサー23により酸素含有ガスを燃料電池5に提供する。] [0053] 本発明の方法では、固体酸化物型燃料電池5のアノード電極の1個以上で第1のガス流と第2のガス流を酸化剤と混合し、発電する。酸化剤は、燃料電池5のカソード13を流れ、燃料電池の電解質を通って移送される酸素含有ガス流中の酸素に由来するイオン酸素が好ましい。以下に更に詳述するように、第1のガス流と第2のガス流と酸素含有ガス流を選択された独立した速度で燃料電池5に供給することにより、第1のガス流と第2のガス流と酸化剤をアノードにおいて燃料電池5の1個以上のアノード電極で混合する。少なくとも0.4W/cm2、又は少なくとも0.5W/cm2、又は少なくとも0.75W/cm2、又は少なくとも1W/cm2、又は少なくとも1.25W/cm2、又は少なくとも1.5W/cm2の電力密度で発電するように、第1のガス流と第2のガス流と酸化剤を燃料電池の1個以上のアノード電極で混合することが好ましい。] [0054] イオン酸素が燃料電池5のカソード13からアノード11まで電解質15を横断できるようにするために有効な温度で固体酸化物型燃料電池5を運転する。700℃〜1100℃、又は800℃〜1000℃の温度で固体酸化物型燃料電池5を運転することができる。1個以上のアノード電極におけるイオン酸素による水素の酸化は非常に発熱性の反応であり、反応熱は固体酸化物型燃料電池5を運転するために必要な熱を生成する。固体酸化物型燃料電池を運転する温度は第1のガス流、第2のガス流及び酸素含有ガス流の温度と、これらのガス流を燃料電池に供給する流速を独立して制御することにより制御することができる。1態様では、固体酸化物型燃料電池の動作温度を700℃〜1000℃、好ましくは800℃〜900℃に維持するように、燃料電池に供給する第2のガス流の温度を最大で100℃に制御し、酸素含有ガス流の温度を最大で300℃の温度に制御し、第1のガス流の温度を最大で550℃の温度に制御する。] [0055] 燃料電池5の運転を開始するためには、燃料電池5をその動作温度まで加熱する。好ましい1態様では、触媒部分酸化改質反応器30で水素含有ガス流を生成し、配管31及び1から固体酸化物型燃料電池のアノード11に水素含有ガス流を供給することにより、固体酸化物型燃料電池5の運転を開始することができる。炭化水素原料に対して化学量論的量よりも少量の酸素源を触媒部分酸化改質反応器30に供給し、炭化水素原料と酸素源を触媒部分酸化改質反応器30で従来の部分酸化改質触媒の存在下に燃焼させることにより触媒部分酸化改質反応器30で水素含有ガス流を生成することができる。] [0056] 触媒部分酸化改質反応器30に供給される炭化水素原料は液体もしくはガス状炭化水素、又は炭化水素混合物とすることができ、メタン、天然ガス、又は低分子量炭化水素もしくは低分子量炭化水素の混合物が好ましい。1態様において、水素源9が炭化水素改質反応器である場合には、触媒部分酸化改質反応器30に供給される炭化水素原料は方法の実施に必要な炭化水素原料数を減らすために、水素源9炭化水素改質反応器で使用される原料と同一種の原料とすることができる。別の態様において、水素源9が触媒部分酸化改質反応器である場合には、別の触媒部分酸化改質反応器30を追加する必要がないように燃料電池5の運転を開始するために使用される触媒部分酸化改質反応器として水素源9を利用することができる。] [0057] 触媒部分酸化改質反応器30に供給される酸素含有原料は純酸素、空気、又は酸素リッチな空気とすることができる。酸素含有原料は空気が好ましい。触媒部分酸化改質反応器で炭化水素原料と燃焼させるために炭化水素原料に対して化学量論的量よりも少量の酸素含有原料を触媒部分酸化改質反応器30に供給すべきである。] [0058] 触媒部分酸化改質反応器30で炭化水素原料と酸素含有ガスの燃焼により形成される水素含有ガス流は、燃料電池5のアノード11においてアノード電極の1個以上で酸化剤との接触により酸化させることが可能な化合物(水素と一酸化炭素を含む)と、他の化合物(例えば二酸化炭素)を含有する。触媒部分酸化改質反応器30からの水素含有ガス流は燃料電池5のアノード11で1個以上のアノード電極を酸化する可能性のある化合物を含有しないことが好ましい。] [0059] 触媒部分酸化改質反応器30で形成される水素含有ガス流は高温であり、少なくとも700℃、又は700℃〜1100℃、又は800℃〜1000℃の温度であり得る。本発明の方法では固体酸化物型燃料電池5の始動を開始するために触媒部分酸化改質反応器30からの高温水素ガス流を使用すると、燃料電池5の温度をほぼ瞬時に燃料電池5の動作温度まで上昇させることができるので好ましい。1態様(図示せず)では、熱交換器27において触媒部分酸化改質反応器30からの高温水素含有ガスと燃料電池5の運転開始時に燃料電池5のカソード13に供給される酸素含有ガスの間で熱交換することができる。] [0060] 水素源9が燃料電池5の運転を開始するために使用される触媒部分酸化改質反応器以外のものである場合には、燃料電池5の動作温度に達すると、弁7を開いて水素源9からアノード11へ第1のガス流を供給しながら、触媒部分酸化改質反応器30から燃料電池5への高温水素含有ガス流の流入を弁33により遮断することができる。その後、本発明の方法に従って燃料電池の連続運転を実施することができる。] [0061] 水素源9が燃料電池5の運転を開始するために使用される触媒部分酸化改質反応器である場合には、燃料電池5がその動作温度に達した後に触媒部分酸化改質反応器からの高温水素含有ガスを連続運転用の第1のガス流として燃料電池5に供給することができる。1態様では、触媒部分酸化反応器からの高温水素含有ガスを上記のように熱交換器で冷却することもできるし、及び/又は燃料電池5のアノード11に燃料電池5の連続運転用の第1の水蒸気ガスとして供給する前に高温水素分離装置で高温水素含有ガスから水素を分離してもよい。] [0062] 別の態様(図1には示さず)では、第1のガス流を燃料電池に導入する前に水素貯蔵タンクからの水素始動ガス流を始動ヒーターに通して燃料電池をその動作温度まで上昇させることにより、燃料電池の運転を開始することができる。水素貯蔵タンクは固体酸化物型燃料電池のアノードに水素始動ガス流を導入できるように、燃料電池と作動的に接続することができる。始動ヒーターは水素始動ガス流を750℃〜1000℃の温度まで間接的に加熱することができる。始動ヒーターは電気ヒーターでもよいし、燃焼ヒーターでもよい。燃料電池の動作温度に達すると、燃料電池への水素始動ガス流の流入を弁により遮断することができ、水素生成器から燃料電池のアノードへの弁を開くことにより第1のガス流を燃料電池に導入し、燃料電池の運転を開始することができる。] 図1 [0063] 再び図1を参照すると、燃料電池5の運転の開始中に、酸素含有ガス流を燃料電池5のカソード13に導入することができる。酸素含有ガス流は空気、少なくとも21%の酸素を含有する酸素リッチな空気、又は純酸素とすることができる。酸素含有ガス流は燃料電池の運転開始後の燃料電池5の運転中にカソード13に供給される酸素含有ガス流が好ましい。] 図1 [0064] 好ましい1態様において、燃料電池の始動中に燃料電池のカソード13に供給される酸素含有ガス流は少なくとも500℃、より好ましくは少なくとも650℃、より好ましくは少なくとも750℃の温度である。酸素含有ガス流を固体酸化物型燃料電池5のカソード13に供給する前に電気ヒーターにより加熱することができる。好ましい1態様では、燃料電池5のカソード13に供給する前に熱交換器27で触媒部分酸化改質反応を開始する燃料電池からの高温水素含有ガス流との熱交換により燃料電池5の運転開始に使用される酸素含有ガス流を加熱することができる。] [0065] 本発明の方法では、燃料電池5の運転中に1個以上のアノード電極で第1及び第2の水蒸気ガスと酸化剤を混合し、燃料電池に供給される第1及び第2のガス流中に存在する水素の一部を酸化剤で酸化することにより(水蒸気としての)水分を生成する。水素を酸化剤で酸化することにより生成された水分を第1及び第2のガス流の未反応部分により燃料電池のアノードから押出し、アノード排気流の一部としてアノードから排出する。] [0066] 本発明の方法において、アノード排気流は実質的な量の水素を含有する。本発明の方法の1側面において、アノード排気流は少なくとも0.6、又は少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9モル分率の水素を含有することができる。水素生成器9が高温水素分離装置と連結又は一体化されていない水蒸気改質反応器又は触媒部分酸化反応器である場合には、アノード排気流は更に水分を含有しており、炭素酸化物、特に二酸化炭素と一酸化炭素を含有していてもよい。] [0067] 本発明の方法では、アノード排気口17から排出されるにつれてアノード排気流を燃料電池5から分離する。アノード排気流に含まれる水素をアノード排気流から分離し、第2のガス流を形成することができる。アノード排気流は高温、一般に少なくとも800℃で固体酸化物型燃料電池から排出されるので、アノード排気流中の水素を分離して第2のガス流を形成する前に冷却する必要がある。アノード排気流をアノード排気口17から配管35を経て1個以上の熱交換器37を通過させ、水素をアノード排気流から分離することが可能な温度までアノード排気流を冷却することにより、アノード排気流を冷却することができる。] [0068] 1態様では、1個以上の熱交換器37においてアノード排気流と水蒸気の間で熱交換し、高圧水蒸気を生成することができる。高圧水蒸気をタービン(図示せず)で膨張させて1個以上のコンプレッサーを駆動し、その1個が第2のガス流を燃料電池5に供給する前に第2のガス流を圧縮することができる。あるいは、高圧水蒸気をタービン(図示せず)で膨張させ、燃料電池5により生成される電力以外に電力を生成することができる。] [0069] 別の態様では、アノード排気流と1個以上の水分流の間で熱交換し、住宅用熱水を生成することができる。この態様は燃料電池5を住宅又は小住宅群用発電用に利用し、住宅に近接して配置する場合に特に有用である。] [0070] 本発明の方法の1態様では、配管35及び38と1個以上の熱交換器37を介してアノード排気口17に作動的に接続された水素分離装置39に冷却したアノード排気流を通すことにより、冷却したアノード排気流から水素を分離し、第2のガス流を形成することができる。1態様では、アノード排気流を250℃〜650℃の温度まで冷却することができ、水素分離装置39は選択的に水素透過性のパラジウム被覆膜等の高温水素分離装置とすることができる。別の態様では、アノード排気流を250℃未満の温度まで冷却することができ、水素分離装置39は圧力変動吸着器等の低温水素分離装置とすることができる。] [0071] 本発明の方法の1態様では、アノード排気から水素を分離し易くするためにアノード排気流を高圧(例えば少なくとも0.2MPa、又は少なくとも0.5MPa、又は少なくとも1MPa、又は少なくとも2MPaの圧力)で水素分離装置39に提供することができる。1態様では、水素生成器9は第1のガス流を燃料電池5に高圧で供給することができ、その後、選択的に水素透過性の膜により水素をアノード排気流から効率的に分離するように、アノード排気流を水素分離装置39に高圧で供給する。水素生成器9が選択的に水素透過性の膜を含む高温水素分離装置と作動的に連結又は一体化していない水蒸気改質反応器又は触媒部分酸化反応器である場合には、例えば、第1のガス流を燃料電池5に高圧で提供することができる。別の態様では、高温水素分離装置39によるアノード排気流からの水素分離を助長するために、上記のようにアノード排気流との熱交換により駆動されるコンプレッサーによりアノード排気流を圧縮することができる。高温水素分離装置39はアノード排気流中に存在する炭化水素と一酸化炭素や二酸化炭素等の炭素酸化物から水素を分離することができる。] [0072] 本発明の方法の1態様では、アノード排気流が主に水素と水分から構成される場合には、冷却したアノード排気流を最初に水素分離装置39に供給せずに1個以上の熱交換器37から配管38及び41によりコンデンサ43に供給し、アノード排気流から第2のガス流を分離することができる。水素生成器9が水素タンク、又は高温水素分離装置と作動的に接続又は一体化された改質反応器もしくは触媒部分酸化反応器であり、燃料電池5に供給される第1のガス流が主に水素を含有しており、炭素酸化物を殆ど又は全く含有しないようなときには、アノード排気流は主に水素と水分から構成することができる。第2のガス流をコンデンサでアノード排気流から分離するためには、水素を凝縮水から第2のガス流として分離できるように、コンデンサ43でアノード排気流から水分を凝縮させるために十分低い温度、例えば100℃未満、又は90℃未満、又は80℃未満までアノード排気流を1個以上の熱交換器37により冷却すればよい。コンデンサ43で凝縮された水分はコンデンサ43から配管47により水分トラップ45に除去することができる。] [0073] この態様では、水分から水素の分離により形成された第2のガス流の小部分をブリード流として水素分離装置49に通し、第1のガス流の生成時に改質反応器又は部分酸化反応器と併用される高温水素分離装置による炭素酸化物からの不完全な水素分離の結果として第2のガス流中に存在する可能性のある少量の炭素酸化物を除去することができる。水素分離装置49へのブリード流の流量を制御するためにブリード弁51及び弁50を利用することができる。1態様では、ブリード流を水素分離装置49に供給する前にブリード流を圧縮するためにコンプレッサー53を利用することができる。コンプレッサー53は1個以上の熱交換器37でアノード排気流又は熱交換器27でカソード排気流との熱交換により生成される高温水蒸気により駆動することができる。水素分離装置は圧力変動吸着装置でもよいし、選択的に水素透過性の膜でもよい。水素分離装置49によりブリード流から分離した水素を配管55から配管10に戻し、第2のガス流と再合流させることができる。] [0074] 本発明の方法の別の態様では、水素分離装置39により分離した第2のガス流を配管41からコンデンサ43に供給し、冷却したアノード排気流から水素を分離するために使用した水蒸気から第2のガス流中の水素を分離することができる。例えば、水素分離装置39が選択的に水素透過性の膜を利用してアノード排気中の他の化合物から水素を分離する場合には、膜により分離された水素を膜から押出し、水素分離装置39から排出させることにより水素の分離を助長するために水蒸気スイープガスを使用することができる。コンデンサ39で第2のガス流とスイープガスの混合流から水分を凝縮させることにより、第2のガス流中の水素をスイープガス中の水蒸気から分離することができる。必要に応じて、水素分離装置39から排出後で第2のガス流とスイープガスの混合流をコンデンサ43に供給する前に、第2のガス流とスイープガスの混合流を1個以上の熱交換器(図示せず)に供給することにより、コンデンサ43で水分を凝縮させるために十分低い温度まで第2のガス流と水蒸気スイープガスを冷却してもよい。コンデンサ43で凝縮させた水分はコンデンサから配管47により水分トラップ45に除去することができる。] [0075] 本発明の方法の1態様では、アノード排気流又は第2のガス流から水分を凝縮させず、方法でコンデンサ43を利用しない。水分と炭素酸化物等の他の化合物から水素を分離するために有効な圧力変動吸着装置39に冷却アノード排気流を通すことにより冷却アノード排気流から第2のガス流を分離する場合には、アノード排気流又は第2のガス流から水分を凝縮させる必要がない。] [0076] 本発明の方法の1態様では、アノード排気流から分離した水素の一部を第2のガス流から分離し、水素タンク57に供給することができる。定量弁59を介して水素タンク57に水素を供給することができる。第2のガス流を燃料電池5に供給する流速は水素タンク57への水素の流量と燃料電池5への第2のガス流の流量を調節するように弁59を調節することにより選択及び制御することができる。] [0077] 冷却アノード排気流から水素分離装置39とコンデンサ43の併用、水素分離装置39単独、又はコンデンサ43単独のいずれにより生成されたかに関係なく、第2のガス流は配管10及び1を通って固体酸化物型燃料電池5のアノード11に戻され、第2のガス流をアノードに供給する流速は弁59及び弁12により制御することができる。第2のガス流は少なくとも0.8、少なくとも0.9、少なくとも0.95、又は少なくとも0.98モル分率の水素を含有することができる。1態様では、アノード11に供給される第2のガス流の圧力を増すために、第2のガス流をコンプレッサー47で圧縮することができる。燃料電池5のアノード11に供給される第2のガス流の圧力は少なくとも0.15MPa、又は0.5MPa、又は少なくとも1MPa、又は少なくとも2MPa、又は少なくとも2.5MPaまで増加することができる。燃料電池5のアノード11に供給される第2のガス流を圧縮するためにコンプレッサー47を駆動するためのエネルギーは1個以上の熱交換器37におけるアノード排気流との熱交換、又は熱交換器27におけるカソード排気流との熱交換により生成された高圧水蒸気により提供することができる。] [0078] 第1及び第2のガス流中の燃料と反応させるために十分な酸化剤をアノードに提供するために十分となるように酸素含有流の流速を選択する本発明の方法では、単位時間当たりに燃料電池で形成される水分量とアノード排気中の水素量の比が最大で1.0、又は最大で0.75、又は最大で0.67、又は最大で0.43、又は最大で0.25、又は最大で0.11となるように、第1のガス流をアノードに供給する流速と、第2のガス流をアノード11に供給する流速を独立して選択することができる。1態様では、燃料電池で形成される水分量とアノード排気中の水素量の比を単位時間当たりのモルで表した場合に最大で1.0、又は最大で0.75、又は最大で0.67、又は最大で0.43、又は最大で0.25、又は最大で0.11となるように、燃料電池で形成される水分量と、アノード排気中の水素量をモルで測定することができる。本発明の方法では、アノード排気流が少なくとも0.6モル分率の水素、又は少なくとも0.7モル分率の水素、又は少なくとも0.8モル分率の水素、又は少なくとも0.9モル分率の水素を含有するように、第1のガス流をアノードに供給する流速と、第2のガス流をアノードに供給する流速を独立して選択することができる。本発明の方法では、アノード排気流がアノードに供給される第1のガス流と第2のガス流の混合流中の水素の少なくとも50%、又は少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%を含有するように、第1のガス流をアノードに供給する流速と、第2のガス流をアノードに供給する流速を独立して選択することができる。本発明の方法では、1パス当たり水素燃料利用率が最大で50%、又は最大で40%、又は最大で30%、又は最大で20%、又は最大で10%となるように、第1のガス流をアノードに供給する流速と、第2のガス流をアノードに供給する流速を独立して選択することができる。] [0079] 第2のガス流を固体酸化物型燃料電池5のアノード11に供給する流速は、選択された流速で第2のガス流をアノード11に分配するように弁12及び59を調節することにより選択することができる。第1のガス流をアノード11に供給する流速は、選択された流速で第1のガス流をアノード11に分配するように定量弁7を調節することにより選択することができる。あるいは、水素生成器を方法で使用する場合には、水素生成器9に供給される原料の量を調節することにより、第1のガス流をアノード11に供給する流速を選択することもできる。1態様では、アノード排気分析器により測定したアノード排気の水素及び/又は水分含量に基づいて所望速度で第1のガス流と第2のガス流をアノード11に供給するように、アノード排気分析器(図示せず)により弁12、及び7及び/又は59を連続的に調節し、独立して制御することができる。] [0080] 本発明の方法において、アノード11に供給される第1のガス流と第2のガス流の混合流中の水素量は、燃料電池5の1個以上のアノード電極で酸化剤と混合した場合にアノード経路長全体にわたって少なくとも0.4W/cm2、又は少なくとも0.5W/cm2、又は少なくとも0.75W/cm2、又は少なくとも1W/cm2、又は少なくとも1.25W/cm2の電力密度で発電するために十分な量とすべきである。1態様では、少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9、又は少なくとも0.95モル分率の水素と、最大で0.15、又は最大で0.10、又は最大で0.05モル分率の炭素酸化物を含有するように第1のガス流を選択することができる。1態様では、少なくとも0.85、又は少なくとも0.9、又は少なくとも0.95モル分率の水素を含有するように第2のガス流を選択することができる。1態様では、アノード11に供給される第1のガス流と第2のガス流の混合流が少なくとも0.8、又は少なくとも0.85、又は少なくとも0.9、又は少なくとも0.95モル分率の水素を含有するように選択することができる。] [0081] 本発明の方法では、燃料電池で炭化水素原料からの第1のガス流の生成と一酸化炭素から二酸化炭素への酸化から発生される単位電力当たり比較的少量の二酸化炭素しか生成されない。第2のガス流中のアノード排気流から燃料電池に水素を再循環させる結果、水素生成器により生成する必要のある水素量が減り、付随する二酸化炭素副生物生成が減り、一酸化炭素を燃料電池に供給する場合にはその量が減り、燃料電池自体で生成される二酸化炭素の量が潜在的に減る。本発明の方法では、発電量キロワット時当たり400グラム(400g/kWh)以下の割合で二酸化炭素が生成される。好ましい1態様において、本発明の方法では350g/kWh以下の割合で二酸化炭素が生成され、より好ましい1態様において、本発明の方法では300g/kWh以下の割合で二酸化炭素が生成される。] [0082] 図2を参照すると、1態様において、本発明の方法は電力を発生するために熱統合した水素分離水蒸気改質反応器と固体酸化物型燃料電池を含むシステムを利用する。主に水素を含有する第1のガス流を燃料電池105のアノード107に提供するように、1個以上の高温水素分離膜103を含む水蒸気改質反応器101を固体酸化物型燃料電池105と作動的に連結することができ、燃料電池105からの排気流は反応器101で改質反応とシフト反応を推進するために必要な熱を改質反応器101に提供する。主に水素を含有する第2のガス流をアノード排気から分離し、アノード107に戻すことができる。第1及び第2のガス流を燃料電池105に供給する速度は燃料電池で電気化学反応から酸化生成物を押出すように燃料電池105に水素を多量に供給することにより、燃料電池105で高電力密度で発電するように選択することができる。] 図2 [0083] 方法の1態様では、5MPaまで、又は4MPaまで、又は3MPaまでの圧力下に最大で300℃の温度で蒸気である炭化水素(例えば高圧下に少なくとも300℃の温度でガス状の炭化水素)である水素源を含有する原料を配管109から改質反応器101に供給することができる。方法のこの態様では5MPaまでの圧力下に最大で300℃の温度で気化する任意の(場合により酸化形態の)炭化水素を原料として使用することができる。このような原料としては、限定されないが、メタン、メタノール、エタン、エタノール、プロパン、ブタン、及び各分子の炭素原子数が1〜4の低分子量炭化水素が挙げられる。好ましい1態様において、原料はメタン又は天然ガスとすることができる。水蒸気を配管111から改質反応器101に供給し、改質器101の改質領域115で原料と混合することができる。] [0084] 原料と水蒸気を300℃〜650℃の温度で改質器101に供給し、原料と水蒸気を下記のように熱交換器113で所望温度まで加熱することができる。熱交換器113で加熱する前、又は場合により熱交換器113で加熱後で改質反応器101に供給する前に原料を脱硫器121で脱硫し、原料が改質反応器101で触媒を汚染しないように原料から硫黄を除去することができる。従来の水素化脱硫触媒と接触させることにより原料を脱硫器121で脱硫することができる。] [0085] 原料と水蒸気を改質反応器101の改質領域115に供給する。改質領域115には改質触媒を添加することができ、このような触媒を添加することが好ましい。改質触媒は従来の水蒸気改質触媒でよく、当分野で公知の任意のものでよい。使用することができる典型的な水蒸気改質触媒としては、限定されないが、VIII属遷移金属、特にニッケルが挙げられる。多くの場合には、耐火性担体(又は支持体)に改質触媒を担持することが望ましい。担体を使用する場合には、不活性化合物が好ましい。担体として使用するのに適した不活性化合物は周期表のIII属及びIV属の元素を含有する(例えばAl、Si、Ti、Mg、Ce及びZrの酸化物又は炭化物)。] [0086] 改質反応器101の改質領域115において水素と炭素酸化物を含有する改質生成物ガスを形成するために有効な温度で原料と水蒸気を改質触媒と混合接触させる。改質生成物ガスとしては、原料中の炭化水素を水蒸気改質することにより形成された化合物が挙げられる。改質生成物ガスとしては更に、水蒸気改質により生成された一酸化炭素を更に水蒸気とシフト反応させることにより形成された化合物が挙げられる。改質生成物ガスは水素と少なくとも1種類の炭素酸化物を含有することができる。改質生成物ガスに含有することができる炭素酸化物としては一酸化炭素と二酸化炭素が挙げられる。] [0087] 改質生成物ガスが水素分離膜103と接触し、水素が膜壁123を透過して管状膜103内に配置された水素導管125に達するように配置された改質反応器101の改質領域115に1個以上の高温管状水素分離膜103を配置することができる。膜壁123は改質領域115中の改質生成物ガス、原料及び水蒸気の非水素化合物との気体連通から水素導管125を分離し、改質生成物ガス中の水素が膜壁123を透過して水素導管125に達し、改質領域中の他のガスが膜壁123により水素導管125への移動を阻止されるように、元素及び/又は分子状の水素に選択的に透過性である。] [0088] 改質領域の高温管状水素分離膜103は選択的に水素透過性の金属又は合金の薄膜で被覆した支持体を含むことができる。支持体は水素透過性のセラミック又は金属材料から形成することができる。多孔質ステンレス鋼や多孔質アルミナが膜103の支持体に好ましい材料である。支持体を被覆する水素選択的金属又は合金はVIII属の金属から選択することができ、限定されないが、特に合金としてのPd、Pt、Ni、Ag、Ta、V、Y、Nb、Ce、In、Ho、La、Au及びRuが挙げられる。パラジウム及び白金合金が好ましい。本発明の方法で使用される特に好ましい膜103は多孔質ステンレス鋼支持体を被覆する大表面積パラジウム合金超薄膜をもつ。この種の膜は米国特許第6,152,987号に開示されている方法を使用して製造することができる。大表面積の白金又は白金合金の薄膜も水素選択的材料として適していると思われる。] [0089] 膜壁123を通して改質反応器の改質領域115から水素導管125に水素を流入させるように、改質反応器101の改質領域115内の圧力を管状膜103の水素導管125内の圧力よりも有意に高いレベルに維持する。1態様では、水素導管125を大気圧又はその付近に維持し、改質領域を少なくとも0.5MPa、又は少なくとも1.0MPa、又は少なくとも2MPa、又は少なくとも3MPaの圧力に維持する。原料及び/又は水蒸気を高圧で改質領域115に注入することにより、改質領域115をこのような高圧に維持することができる。例えば、原料は改質領域115に注入される少なくとも0.5MPa、又は少なくとも1.0MPa、又は少なくとも2.0MPa、又は少なくとも3.0MPaの圧力の高圧天然ガスから構成することができる。あるいは、熱交換器113から排出された後に、原料及び/又は水蒸気をコンプレッサー124で少なくとも0.5MPa、又は少なくとも1.0MPa、又は少なくとも2.0MPa、又は少なくとも3.0MPaの圧力まで圧縮した後に改質反応器101に注入することができる。] [0090] 原料と水蒸気を改質反応器101の改質領域115で改質触媒と混合接触させる温度は少なくとも400℃であり、好ましくは400℃〜650℃、最も好ましくは450℃〜550℃とすることができる。水素は改質領域115から水素分離膜103の水素導管125に除去されるので、750℃を上回る温度で水素を生成する典型的な水蒸気改質反応と異なり、本発明の改質反応の平衡は400℃〜650℃の温度で運転する改質反応器101での水素生成を助長する。400℃〜650℃の動作温度はシフト反応も助長し、一酸化炭素と水蒸気をより多量の水素に変換した後、改質領域115から膜103の膜壁メンバー123を通して水素分離膜103の水素導管125に除去する。以下に更に詳述するように、燃料電池105排気流は改質反応器101の改質領域115における改質反応とシフト反応を誘導するために必要な熱を排気管117及び119から提供するために使用することができる。] [0091] 水素以外のガス流は改質領域115から配管127を通って除去することができ、水素以外のガス流は未反応原料、改質生成物ガスから分離されなかった少量の水素、及び改質生成物ガス中の水素以外のガス状改質生成物を含有することができる。水素以外の改質生成物と未反応原料としては、二酸化炭素と、(水蒸気としての)水分と、少量の一酸化炭素及び未反応炭化水素が挙げられる。] [0092] 1態様では、改質領域115から分離される水素以外のガス流は乾燥基準で少なくとも0.9、又は少なくとも0.95、又は少なくとも0.98モル分率の二酸化炭素を含有する二酸化炭素ガス流とすることができる。二酸化炭素ガス流は少なくとも1MPa、又は少なくとも2MPa、又は少なくとも2.5MPaの圧力の高圧ガス流とすることができる。高圧二酸化炭素ガス流は改質反応器101から排出時に有意量の水分を水蒸気として含有している可能性がある。高圧二酸化炭素ガス流を配管127から熱交換器113に通し、改質反応器101に供給される水蒸気及び原料と熱交換させ、高圧二酸化炭素ガス流を冷却することにより、高圧二酸化炭素ガス流から水分を除去することができる。冷却した高圧二酸化炭素ガス流を1個以上の熱交換器129(1個の熱交換器として図示)で更に冷却し、ガス流から水分を凝縮させることができ、冷却した高圧二酸化炭素流を熱交換器113から配管131により熱交換器129に送ることができる。2個以上の熱交換器129が存在する場合には、高圧二酸化炭素流を順次冷却するように熱交換器129を直列に配置することができる。乾燥した高圧二酸化炭素流を(最後の)熱交換器129から配管133により除去することができる。凝縮水を配管155によりコンデンサ151に供給することができる。] [0093] 乾燥した高圧二酸化炭素流をタービン135で膨張させ、タービン135を駆動し、低圧二酸化炭素流を生成することができる。乾燥した高圧二酸化炭素流をタービン135で膨張させる方法は燃料電池105により発生される電力以外に電力を発生するために使用することができる。あるいは、コンプレッサー161を駆動して下記のように燃料電池105に供給される水素を含有するガス流を圧縮するため、及び/又はコンプレッサー124を駆動して改質反応器101に供給される水蒸気及び/又は原料を圧縮するためにタービン135を使用してもよい。低圧二酸化炭素流は廃棄してもよいし、飲料の炭酸化に使用してもよい。] [0094] あるいは、高圧二酸化炭素流を低圧二酸化炭素流に変換せず、高圧二酸化炭素流を油層に注入することにより油層からの油回収を強化するために使用してもよい。] [0095] 水素分離膜103の膜壁123に水素を選択的に透過させて水素分離膜103の水素導管125に到達させることにより改質反応器101で水素を含有する第1のガス流を改質生成物ガスから分離することができる。第1のガス流は非常に高濃度の水素を含有することができ、少なくとも0.6、又は少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9、又は少なくとも0.95、又は少なくとも0.98モル分率の水素を含有することができる。] [0096] 水蒸気を含有するスイープガスを配管137から水素導管125に注入し、水素を膜壁123の内部から水素導管125に押出すことにより、水素分離膜103により改質領域115から水素を分離することが可能な速度を増すことができる。第1のガス流と水蒸気スイープガスは水素分離膜103と改質反応器101から水素出口配管139を通して除去することができる。] [0097] 第1のガス流と水蒸気スイープガスを水素出口配管139から熱交換器141に供給し、第1のガス流と水蒸気スイープガスを冷却することができる。第1のガス流と水蒸気スイープガスの混合流は改質反応器101から排出時に400℃〜650℃の温度、一般に450℃〜550℃の温度にすることができる。第1のガス流と水蒸気スイープガスの混合流は熱交換器141で初期原料及び水分/水蒸気と熱交換することができる。初期原料は配管143から熱交換器141に提供することができ、水分/水蒸気は配管145から熱交換器141に提供することができ、原料と水分の流速は夫々定量弁142及び144により制御することができる。加熱した原料と水蒸気を夫々配管147及び149から熱交換器113に供給し、上記のように改質反応器101に供給する前に更に加熱することができる。冷却した第1のガス流と水蒸気スイープガスの混合流を配管152からコンデンサ151に供給し、配管153からコンデンサ151に供給した水分と熱交換することにより混合流から水分を凝縮させ、凝縮水を配管155により高圧二酸化炭素ガス流から分離することができる。] [0098] コンデンサ151で凝縮した水分と配管153及び155からコンデンサ151に供給した水分を水分トラップ配管157からポンプ159に送ることができ、1個以上の熱交換器129に水分をポンプ輸送し、冷却した高圧二酸化炭素ガス流と熱交換し、冷却した高圧二酸化炭素ガス流を更に冷却しながら水分を加熱する。加熱した水分/水蒸気を上記のように配管145から熱交換器141に送り、更に加熱して水蒸気を生成し、熱交換器113で更に加熱後に改質反応器101に供給することができる。] [0099] 水素を含有し、水分を殆ど又は全く含有しない冷却後の第1のガス流をコンデンサ151から配管163を通してコンプレッサー161に供給することができる。第1のガス流は改質反応器から排出され、熱交換器141とコンデンサ151を経てコンプレッサー161に供給される際に大気圧又は大気圧付近の圧力にすることができる。燃料電池105に供給する前に第1のガス流の圧力を増加するように第1のガス流をコンプレッサー161で圧縮することができる。1態様では、第1のガス流を0.15MPa〜0.5MPa、好ましくは0.2MPa〜0.3MPaの圧力まで圧縮することができる。コンプレッサー161を駆動するように作動的に連結されたタービン135で高圧二酸化炭素流を膨張させることによりコンプレッサー161を駆動するためのエネルギーを提供することができる。] [0100] 次に、固体酸化物型燃料電池105のアノード107に配管167によりアノード入口165から第1のガス流を供給することができる。第1のガス流は燃料電池においてアノード経路長に沿って1個以上のアノード電極で酸化剤と電気化学反応するように水素をアノードに提供する。第1のガス流を燃料電池105のアノード107に供給する速度は原料と水蒸気を改質反応器101に供給する速度を選択することにより選択することができ、この速度は定量弁142及び144により制御することができる。] [0101] 水素を含有する第2のガス流も燃料電池105のアノード107に供給することができる。水素と水分を含有するアノード排気流から第2のガス流を分離する。アノードガス排気流から水分を凝縮させて水素を含有する第2のガス流を生成するために十分にアノード排気流を冷却することにより、第2のガス流をアノード排気流から分離することができる。] [0102] アノード排気流はアノード排気口169を通ってアノード107から排出される。改質反応器で水蒸気及び原料と熱交換することにより先ずアノード排気流を冷却することができる。1態様では、改質反応器105の改質領域115内に延び、その内側に配置される1個以上の改質器アノード排気管119に配管173から供給することにより先ずアノード排気流を冷却することができる。以下に更に詳述するように、アノード排気流が改質器アノード排気管119内で改質領域115を通過するにつれて改質反応器101の改質領域115でアノード排気流と原料及び水蒸気の間で熱交換し、反応器101でアノード排気流を冷却すると共に、水蒸気と原料を加熱することができる。] [0103] 改質反応器101の改質領域115で原料及び水蒸気と熱交換後、冷却したアノード排気流はアノード排気管119から排出され、配管174を通って熱交換器141に送られ、冷却したアノード排気ガスを更に冷却することができる。1態様では、燃料電池105への第2のガス流の流速を制御するために、アノード排気流の少なくとも一部を熱交換器141から配管179によりコンデンサ175に送り、アノード排気流の選択された部分に含まれる水分から水素を分離することができる。コンデンサ175でアノード排気流から水分を凝縮させることにより、アノード排気流の選択された部分から水素を分離することができる。分離した水素は配管176により水素貯蔵タンク177に供給することができる。コンデンサ175からの凝縮水は配管180によりポンプ159に供給することができる。] [0104] 水素タンク177に分離するためにコンデンサ175に供給されない冷却アノード排気流は熱交換器141を通過後に第2のガス流を燃料電池105に提供するために使用される。冷却アノード排気流を配管181から配管152に供給することにより、熱交換器141から排出された冷却アノード排気流を第1のガス流及び水蒸気スイープガスと混合することができる。次にアノード排気流と第1のガス流と水蒸気スイープガスの混合流をコンデンサ151に供給し、アノード排気流を更に冷却することができる。アノード排気流から水分を凝縮させることにより得られた第2のガス流を配管163によりコンデンサ151から分離し、第1のガス流と混合することができる。第2のガス流は少なくとも0.6、又は少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9、又は少なくとも0.95、又は少なくとも0.98モル分率の水素を含有することができ、第2のガス流の水素含量は冷却アノード排気流の水素含量を乾燥基準で測定することにより測定できる。アノード排気流からの水分をコンデンサ151で第1のガス流と水蒸気スイープガスからの水分と共に凝縮させ、コンデンサ151から配管157により除去し、ポンプ159に供給することができる。] [0105] 固体酸化物型燃料電池105への第2のガス流の流速を選択するために定量弁183及び185を使用することができる。固体酸化物型燃料電池への第2のガス流の流速は固体酸化物型燃料電池105への第2のガス流の流速を調節するコンデンサ151へのアノード排気流の流速を調節するように調節弁183及び185を連携調節することにより選択することができる。弁183を全閉し、コンデンサ175へのアノード排気流の流れと水素タンク177への水素の流れを遮断し、弁185を全開し、全アノード排気流をコンデンサ151に送り、第2のガス流を最大流速で固体酸化物型燃料電池105に送ることができる。好ましい1態様では、アノード排気流の水分及び/又は水素含量に応じて定量弁183及び185を自動調節することにより選択された速度に燃料電池105への第2のガス流の流速を自動制御することができる。] [0106] 1態様では、第1及び第2のガス流の混合流の小部分をブリード流として水素分離装置187に通し、第1のガス流の生成とその後の第2のガス流への再循環時に改質反応器101で水素分離膜103による炭素酸化物からの不完全な水素分離の結果として第1及び第2のガス流中に存在する可能性のある少量の炭素酸化物を除去することができる。水素分離装置187へのブリード流の流量を制御するために弁189及び191を利用することができ、好ましくは弁189及び191は配管193及び195に同時に、あるいは、配管193又は配管195に別々に第1及び第2のガス流を定量分配することができる。水素分離装置187は炭素酸化物から水素を分離するために有効な圧力変動吸着装置が好ましいが、上記のもの等の選択的に水素透過性の膜でもよい。配管195及び197内の第1及び第2のガス流を混合し、配管167により固体酸化物型燃料電池105に供給することができる。] [0107] 方法の1態様において、第1及び第2のガス流の混合流の温度と圧力は固体酸化物型燃料電池105の有効な運転に合わせて選択することができ、特に、温度は燃料電池の電気化学反応性を阻害するほど低くすべきではなく、燃料電池105に無制御な発熱反応を誘導するほど高くすべきではない。1態様において、第1及び第2のガス流の混合流の温度は25℃〜300℃、又は50℃〜200℃、又は75℃〜150℃とすることができる。第1及び第2のガス流の混合流の圧力はコンプレッサー161により第1及び第2のガス流の混合流に提供される圧縮により制御することができ、0.15MPa〜0.5MPa、又は0.2MPa〜0.3MPaとすることができる。] [0108] 配管203によりカソード入口201から燃料電池のカソード199に酸素含有ガス流を供給することができる。酸素含有ガス流はエアーコンプレッサー又は酸素タンク(図示せず)により提供することができる。1態様において、酸素含有ガス流は空気又は純酸素とすることができる。別の態様において、酸素含有ガス流は少なくとも21%の酸素を含有する酸素リッチな空気とすることができ、酸素リッチな空気流は燃料電池でイオン酸素に変換するための酸素の含有量が多いので、酸素リッチな空気流は固体酸化物型燃料電池で空気よりも高い電気効率を提供する。] [0109] 燃料電池105のカソード199に供給する前に酸素含有ガス流を加熱することができる。1態様では、配管209によりカソード排気口207から熱交換器205に提供されるカソード排気の一部と熱交換することにより、熱交換器205で燃料電池105のカソード199に供給する前に酸素含有ガス流を150℃〜350℃の温度まで加熱することができる。熱交換器205へのカソード排気流の流速は定量弁211で制御することができる。あるいは、酸素含有ガス流を電気ヒーター(図示せず)で加熱してもよいし、酸素含有ガス流を加熱せずに燃料電池105のカソード199に提供してもよい。] [0110] 本発明の方法のこの態様で使用される固体酸化物型燃料電池105は好ましくは管状又は平坦形状をもつ従来の固体酸化物型燃料電池とすることができ、アノード107とカソード199と電解質213から構成され、電解質213はアノード107とカソード199の間に挿入される。固体酸化物型燃料電池は燃料が積層型燃料電池のアノードを流れ、酸素含有ガスが積層型燃料電池のカソードを流れるように積層され、中間層により電気的に結合され、作動的に接続された複数の個別の燃料電池から構成することができる。本明細書で使用する「固体酸化物型燃料電池」なる用語は単独の固体酸化物型燃料電池又は作動的に接続もしくは積層された複数の固体酸化物型燃料電池として定義される。1態様において、アノード107はNi/ZrO2サーメットから形成され、カソード199は酸化プラセオジムを含浸させ、SnOドープIn2C3で被覆したドープ亜マンガン酸ランタン又は安定化ZrO2から形成され、電解質213はイットリア安定化ZrO2(約8モル% Y2O3)から形成される。積層された個々の燃料電池又は管状燃料電池間の中間層はドープ亜クロム酸ランタンとすることができる。] [0111] 固体酸化物型燃料電池105は第1及び第2のガス流がアノード入口165からアノード排気口169まで燃料電池105のアノード107を流れ、アノード入口165からアノード排気口169までアノード経路長全体にわたって1個以上のアノード電極と接触するように構成される。燃料電池105は更に酸素含有ガスがカソード入口201からカソード排気口207までカソード199を流れ、カソード入口201からカソード排気口207までカソード経路長全体にわたって1個以上のカソード電極と接触するように構成される。電解質213は第1及び第2のガス流がカソードに流入するのを防ぎ、酸素含有ガスがアノードに流入するのを防ぎ、1個以上のアノード電極で第1及び第2のガス流中の水素と電気化学反応させるためにイオン酸素をカソードからアノードに移送するように燃料電池105に配置されている。] [0112] 固体酸化物型燃料電池105はイオン酸素が燃料電池105のカソード199からアノード107まで電解質213を横断できるようにするために有効な温度で運転される。固体酸化物型燃料電池105は700℃〜1100℃、又は800℃〜1000℃の温度で運転することができる。1個以上のアノード電極におけるイオン酸素による水素の酸化は非常に発熱性の反応であり、反応熱は固体酸化物型燃料電池105を運転するために必要な熱を生成する。固体酸化物型燃料電池を運転する温度は第1のガス流の温度、第2のガス流の温度及び酸素含有ガス流の温度と、これらのガス流を燃料電池105に供給する流速を独立して制御することにより制御することができる。1態様では、固体酸化物型燃料電池の動作温度を700℃〜1100℃、好ましくは800℃〜900℃に維持するように、燃料電池に供給される第2のガス流の温度を最大で100℃の温度に制御し、酸素含有ガス流の温度を最大で300℃の温度に制御し、第1のガス流の温度を最大で550℃の温度に制御する。] [0113] 燃料電池105の運転を開始するためには、燃料電池105をその動作温度まで加熱する。好ましい1態様では、触媒部分酸化改質反応器221で水素含有ガス流を生成し、水素含有ガス流を配管223により固体酸化物型燃料電池のアノード107に供給することにより、固体酸化物型燃料電池105の運転を開始することができる。炭化水素原料に対して化学量論的量よりも少量の酸素源を触媒部分酸化改質反応器に供給し、炭化水素原料と酸素源を触媒部分酸化改質反応器221で従来の部分酸化改質触媒の存在下に燃焼させることにより触媒部分酸化改質反応器で水素含有ガス流を生成することができる。] [0114] 触媒部分酸化改質反応器221に供給される炭化水素原料は液体もしくはガス状炭化水素、又は炭化水素混合物とすることができ、メタン、天然ガス、又は低分子量炭化水素もしくは低分子量炭化水素の混合物が好ましい。本発明の方法の特に好ましい1態様において、触媒部分酸化改質反応器221に供給される炭化水素原料は方法の実施に必要な炭化水素原料数を減らすために、改質反応器101で使用される原料と同一種の原料とすることができる。] [0115] 触媒部分酸化改質反応器221に供給される酸素含有原料は純酸素、空気、又は酸素リッチな空気とすることができる。触媒部分酸化改質反応器221で炭化水素原料と燃焼させるために炭化水素原料に対して化学量論的量よりも少量の酸素含有原料を触媒部分酸化改質反応器221に供給すべきである。] [0116] 触媒部分酸化改質反応器221で炭化水素原料と酸素含有ガスの燃焼により形成される水素含有ガス流は、燃料電池105のアノード107においてアノード電極の1個以上で酸化剤との接触により酸化させることが可能な化合物(水素と一酸化炭素を含む)と、他の化合物(例えば二酸化炭素)を含有する。触媒部分酸化改質反応器221からの水素含有ガス流は燃料電池105のアノード107で1個以上のアノード電極を酸化する可能性のある化合物を含有しないことが好ましい。] [0117] 触媒部分酸化改質反応器221で形成される水素含有ガス流は高温であり、少なくとも700℃、又は700℃〜1100℃、又は800℃〜1000℃の温度であり得る。本発明の方法では固体酸化物型燃料電池105の始動を開始するために触媒部分酸化改質反応器221からの高温水素含有ガス流を使用すると、燃料電池105の温度をほぼ瞬時に燃料電池105の動作温度まで上昇させることができるので好ましい。1態様では、熱交換器205において触媒部分酸化改質反応器からの高温水素含有ガスと燃料電池105の運転開始時に燃料電池105のカソード199に供給される酸素含有ガスの間で熱交換し、酸素含有ガスを加熱することができる。] [0118] 燃料電池105の動作温度に達すると、弁227を開いて第1のガス流を改質反応器101からアノード107に供給しながら、触媒部分酸化改質反応器221から燃料電池105への高温水素含有ガス流の流入を弁225により遮断することができる。その後、本発明の方法に従って燃料電池の連続運転を実施することができる。] [0119] 別の態様(図2には示さず)では、第1のガス流を燃料電池に導入する前に水素貯蔵タンク177からの水素始動ガス流を始動ヒーターに通して燃料電池をその動作温度まで上昇させることにより、燃料電池の運転を開始することができる。水素貯蔵タンク177は固体酸化物型燃料電池のアノードに水素始動ガス流を導入できるように、燃料電池と作動的に接続することができる。始動ヒーターは水素始動ガス流を750℃〜1000℃の温度まで間接的に加熱することができる。始動ヒーターは電気ヒーターでもよいし、燃焼ヒーターでもよい。燃料電池の動作温度に達すると、燃料電池への水素始動ガス流の流入を弁により遮断することができ、第1のガス流と酸素含有ガス流を燃料電池に導入して燃料電池の運転を開始することができる。] 図2 [0120] 再び図2を参照すると、燃料電池105の運転の開始中に、酸素含有ガス流を燃料電池105のカソード199に導入することができる。酸素含有ガス流は空気、少なくとも21%の酸素を含有する酸素リッチな空気、又は純酸素とすることができる。酸素含有ガス流は燃料電池の運転開始後の燃料電池105の運転中にカソード199に供給される酸素含有ガス流が好ましい。] 図2 [0121] 好ましい1態様において、燃料電池の始動中に燃料電池のカソード199に供給される酸素含有ガス流は少なくとも500℃、より好ましくは少なくとも650℃、より好ましくは少なくとも750℃の温度である。酸素含有ガス流を固体酸化物型燃料電池105のカソード199に供給する前に電気ヒーターで加熱することができる。好ましい1態様では、燃料電池105のカソード199に供給する前に熱交換器205で触媒部分酸化改質反応からの高温水素含有ガス流と熱交換することにより、燃料電池105の運転開始に使用される酸素含有ガス流を加熱することができる。] [0122] 燃料電池105の運転が開始したら、燃料電池105の1個以上のアノード電極で第1及び第2のガス流をイオン酸素酸化剤と混合し、発電することができる。イオン酸素酸化剤は燃料電池105のカソード199を流れる酸素含有ガス流中の酸素に由来し、燃料電池の電解質213を通って移送される。燃料電池を750℃〜1100℃の温度で運転しながら選択された独立した速度で第1のガス流と第2のガス流と酸素含有ガス流を燃料電池105に供給することにより、燃料電池105のアノード107に供給される第1及び第2のガス流と酸化剤をアノード107において燃料電池105の1個以上のアノード電極で混合する。] [0123] 燃料電池105の1個以上のアノード電極で第1及び第2のガス流と酸化剤を混合し、少なくとも0.4W/cm2、より好ましくは少なくとも0.5W/cm2、又は少なくとも0.75W/cm2、又は少なくとも1W/cm2、又は少なくとも1.25W/cm2、又は少なくとも1.5W/cm2の電力密度で発電することが好ましい。燃料電池105のアノード107への第1のガス流と第2のガス流の流速を独立して選択及び制御することにより、このような電力密度で発電することができる。定量弁142及び144を調節することにより原料と水蒸気を改質反応器に供給する速度を選択及び制御することにより、燃料電池105のアノード107への第1のガス流の流速を選択及び制御することができる。上記のように定量弁183及び185を調節することによりコンデンサ151へのアノード排気流の流速を選択及び制御することにより、燃料電池105のアノード107への第2のガス流の流速を選択及び制御することができる。1態様では、第2のガス流を燃料電池105に供給する速度を選択するためにアノード排気流中の水分及び/又は水素含量を測定し、第2のガス流を燃料電池105に供給する速度を調節することによりアノード排気流中の水分及び/又は水素含量を選択値に維持するように定量弁183及び185を調節するフィードバック回路(図示せず)により定量弁183及び185を自動調節することができる。] [0124] 本発明の方法では、1個以上のアノード電極で第1及び第2のガス流と酸化剤を混合し、燃料電池105に供給される第1及び第2のガス流中に存在する水素の一部を酸化剤で酸化することにより(水蒸気としての)水分を生成する。水素を酸化剤で酸化することにより生成された水分を第1及び第2のガス流の未反応部分により燃料電池105のアノード107から押出し、アノード排気流の一部としてアノード107から排出する。] [0125] 本発明の方法の1態様では、時間単位当たりに燃料電池で形成される水分量と時間単位当たりのアノード排気中の水素量の比が最大で1.0、又は最大で0.75、又は最大で0.67、又は最大で0.43、又は最大で0.25、又は最大で0.11となるように、第1のガス流をアノード107に供給する流速と、第2のガス流をアノード107に供給する流速を独立して選択することができる。1態様では、時間単位当たりに燃料電池で形成される水分量と時間単位当たりのアノード排気中の水素量の比が最大で1.0、又は最大で0.75、又は最大で0.67、又は最大で0.43、又は最大で0.25、又は最大で0.11となるように、燃料電池で形成される水分量と、アノード排気中の水素量をモルで測定することができる。本発明の方法の別の態様では、アノード排気流か少なくとも0.6、又は少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9モル分率の水素を含有するように、第1のガス流をアノード107に供給する流速と、第2のガス流をアノード107に供給する流速を独立して選択することができる。1態様では、アノード排気流がアノード107に供給される第1及び第2のガス流の混合流中の水素の少なくとも50%、又は少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%を含有するように、第1のガス流をアノード107に供給する流速と、第2のガス流をアノード107に供給する流速を独立して選択することができる。1態様では、燃料電池の1パス当たり水素利用率が最大で50%、又は最大で40%、又は最大で30%、又は最大で20%、又は最大で10%となるように、第1のガス流をアノード107に供給する流速と、第2のガス流をアノード107に供給する流速を独立して選択することができる。] [0126] 固体酸化物型燃料電池105のカソード199に提供される酸素含有ガス流の流速は、1個以上のアノード電極で第1及び第2のガス流からの燃料と混合した場合に少なくとも0.4W/cm2、又は少なくとも0.5W/cm2、又は少なくとも0.75W/cm2、又は少なくとも1W/cm2、又は少なくとも1.25W/cm2、又は少なくとも1.5W/cm2の電力密度で発電するために十分な酸化剤をアノードに提供するように選択すべきである。カソード199への酸素含有ガス流の流速は定量弁215を調節することにより選択することができる。] [0127] 燃料電池105における発熱性電気化学反応からの熱を改質反応器101の改質領域115に提供し、改質反応器101における吸熱性改質反応を推進するように、改質反応器101と固体酸化物型燃料電池105を熱統合することができる。上記のように、1個以上のアノード排気管119と1個以上のカソード排気管117が改質反応器101の改質領域115内に延び、その内部に位置することができる。高温アノード排気流がアノード排気口169を通って燃料電池105のアノード107から排出され、配管173を通って改質領域115のアノード排気管119に流入することができ、及び/又は高温カソード排気流がカソード排気口207を通って燃料電池105のカソード199から排出され、配管217を通って改質領域115のカソード排気管117に流入することができる。アノード排気流がアノード排気管119を通過するにつれて改質領域115において高温アノード排気流からの熱をアノード排気流と水蒸気と原料の混合物の間で交換することができる。同様に、カソード排気流がカソード排気管117を通過するにつれて改質反応器101の改質領域115において高温カソード排気流からの熱をカソード排気流と水蒸気と原料の混合物の間で交換することができる。] [0128] 発熱性の固体酸化物型燃料電池105から吸熱性の改質反応器101への熱交換は非常に効率的である。アノード排気管119及び/又はカソード排気管117を改質反応器101の改質領域115の内側に配置することにより、反応器101内で高温アノード及び/又はカソード排気流と、原料と水蒸気の混合物の間の熱交換が可能になり、改質反応が行われる場所で原料と水蒸気に熱が移動する。更に、アノード及び/又はカソード排気管119及び117を改質領域115の内側に配置することにより、導管117及び119が触媒層と近接する結果として、高温アノード及び/又はカソード排気流により改質領域115内の改質触媒を加熱することが可能になる。] [0129] 更に、改質生成物ガスと第1のガス流を生成するために反応器101における改質反応とシフト反応を推進するために、1)アノード排気流;又は2)カソード排気流;又は3)アノード排気流とカソード排気流により提供される熱以外の熱を改質反応器101に提供する必要がない。上記のように、改質反応器101内で改質反応とシフト反応を実施するために必要な温度は400℃〜650℃であり、従来の改質反応器温度である少なくとも750℃、一般には800℃〜900℃よりも著しく低い。改質反応器をこのような低温で運転できるのは、高温水素分離膜103により改質反応器101から水素を分離することにより改質反応に平衡シフトが生じるためである。アノード排気流とカソード排気流は各々800℃〜1000℃の温度とすることができ、原料と水蒸気の混合物と、アノード排気流又はカソード排気流、又はアノード排気流とカソード排気流の両方との間で熱交換後に、改質反応器101でより低温の改質反応とシフト反応を推進するために十分である。] [0130] 本発明の方法の1態様では、アノード排気流がアノード排気管119を通過するにつれて改質領域115でアノード排気流と水蒸気と原料の混合物の間で熱交換が行われる結果、改質反応とシフト反応を推進するために反応器101内の水蒸気と原料の混合物に提供される熱の有意量を提供することができる。本発明の方法の1態様では、反応器101でアノード排気流と水蒸気と原料の混合物の間で熱交換が行われる結果、反応器101内の水蒸気と原料の混合物に提供される熱の少なくとも40%、又は少なくとも50%、又は少なくとも70%、又は少なくとも90%を提供することができる。1態様において、改質反応器101内の水蒸気と原料の混合物に供給される熱は改質反応器101においてアノード排気管119を通るアノード排気流と水蒸気と原料の混合物の間で交換される熱から主に構成される。方法の1態様では、水蒸気と原料の混合物の温度を400℃〜650℃に維持するように、反応器101におけるアノード排気流と水蒸気と原料の混合物の間の熱交換を制御することができる。] [0131] 本発明の方法の1態様では、カソード排気流がカソード排気管117を通過するにつれて改質領域115でカソード排気流と水蒸気と原料の混合物の間で熱交換が行われる結果、改質反応とシフト反応を推進するために反応器101内の水蒸気と原料の混合物に提供される熱の有意量を提供することができる。本発明の方法の1態様では、反応器101でカソード排気流と水蒸気と原料の混合物の間で熱交換が行われる結果、反応器101内の水蒸気と原料の混合物に提供される熱の少なくとも40%、又は少なくとも50%、又は少なくとも70%、又は少なくとも90%を提供することができる。1態様において、改質反応器101内の水蒸気と原料の混合物に供給される熱は改質反応器101においてカソード排気管117を通るカソード排気流と水蒸気と原料の混合物の間で交換される熱から主に構成される。方法の1態様では、水蒸気と原料の混合物の温度を400℃〜650℃に維持するように、反応器101におけるカソード排気流と水蒸気と原料の混合物の間の熱交換を制御することができる。] [0132] 1態様では、アノード排気流がアノード排気管119を通過し、カソード排気流がカソード排気管117を通過するにつれて改質領域115でアノード排気流とカソード排気流と水蒸気と原料の混合物の間で熱交換が行われる結果、改質反応とシフト反応を推進するために反応器101内の水蒸気と原料の混合物に提供される熱の有意量を提供することができる。本発明の方法の1態様では、反応器101でカソード排気流と水蒸気と原料の混合物の間で熱交換が行われる結果、反応器101内の水蒸気と原料の混合物に提供される熱の60%まで、又は50%まで、又は40%まで、又は30%まで、又は20%までを提供することができ、アノード排気流は反応器101内の水蒸気と原料の混合物に提供される熱の少なくとも40%、又は少なくとも50%、又は少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%を提供することができる。1態様において、改質反応器101内の水蒸気と原料の混合物に供給される熱は反応器101においてアノード排気流とカソード排気流と水蒸気と原料の混合物の間で交換される熱から主に構成することができる。方法の1態様では、水蒸気と原料の混合物の温度を400℃〜650℃に維持するように、反応器101におけるアノード排気流とカソード排気流と水蒸気と原料の混合物の間の熱交換を制御することができる。] [0133] 好ましい1態様において、改質反応器101でアノード排気流、又はカソード排気流、又はアノード排気流とカソード排気流により水蒸気と原料の混合物に提供される熱は改質反応器101における改質反応とシフト反応を推進するために十分であり、改質反応器101におけるこれらの反応を推進するために他の熱源は不要である。反応器101内の水蒸気と原料の混合物に燃焼又は電気加熱により熱を提供しないことが好ましい。] [0134] 1態様において、アノード排気流がアノード排気管119内で改質領域115を通過するにつれてアノード排気流は反応器101における改質反応とシフト反応を推進するための熱の大半又は実質的に全部を改質反応器101内の水蒸気と原料の混合物に提供する。この態様では、改質反応とシフト反応を推進するために改質反応器101で水蒸気と原料の混合物とカソード排気流の一部しか又は全く熱交換する必要がない。カソード排気流から改質反応器101内の水蒸気と原料の混合物に提供される熱量を制御するためには、改質反応器でカソード排気管117を通るカソード排気流の流量を制御することができる。カソード排気流が反応器101内の水蒸気と原料の混合物に必要に応じて所望量の熱を提供するようにカソード排気管117へのカソード排気流の流量を制御するように定量弁211及び220を調節することができる。反応器101内の水蒸気と原料の混合物を加熱するために不要なカソード排気流はカソードに供給される酸素含有ガスを加熱するために配管209から熱交換器205に分岐させることができる。] [0135] 1態様において、カソード排気流は反応器における改質反応とシフト反応を推進するための熱の大半又は全部を改質反応器101内の水蒸気と原料の混合物に提供する。この態様では、改質反応とシフト反応を推進するために改質反応器101で水蒸気と原料の混合物とアノード排気流の一部しか又は全く熱交換する必要がない。アノード排気流から改質反応器101内の水蒸気と原料の混合物に提供される熱量を制御するためには、改質反応器でアノード排気管119を通るアノード排気流の流量を制御することができる。改質反応器101に熱を提供するために使用されないアノード排気流の部分は配管172から熱交換器113に供給し、改質反応器101に流入する原料と水蒸気を加熱し、アノード排気流を冷却した後に、配管168から配管174内で第1のガス流及び水蒸気スイープガスと混合し、熱交換器141で更に冷却することができる。熱交換器113を通るアノード排気流の流量は定量弁170により制御することができる。] [0136] カソード排気管117を通過した冷却カソード排気流はまだ有意量の熱を含んでいる可能性があり、650℃までの温度の可能性がある。冷却カソード排気流をカソード排気管から出口218を通って排出し、弁211により熱交換器205に分配されるカソード排気流と共に配管219から酸素含有ガス熱交換器205に供給することができる。] [0137] 本発明の方法のこの態様では、特に炭化水素原料105からの第1のガス流の生成から方法により発生される単位電力当たり比較的少量の二酸化炭素しか生成されない。先ず、第2のガス流中のアノード排気流から水素を燃料電池105に再循環させる結果、改質反応器101により生成する必要のある水素量が減り、付随する二酸化炭素副生物生成が減る。第2に、改質反応器101を燃料電池105と熱統合し、燃料電池105で生成される熱をアノード及び/又はカソード排気口により燃料電池105から改質反応器101内に移動する結果、吸熱性の改質反応を推進するために提供する必要のあるエネルギーが減り、例えば燃焼によりこのようなエネルギーを提供する必要性が減り、従って、改質反応を推進するためにエネルギーを提供する際に生成される二酸化炭素の量が減る。] [0138] 本発明の方法のこの態様では、発電キロワット時当たり400グラム(400g/kWh)以下の割合で二酸化炭素を生成することができる。好ましい1態様において、本発明の方法では350g/kWh以下の割合で二酸化炭素が生成され、より好ましい1態様において、本発明の方法では300g/kWh以下の割合で二酸化炭素が生成される。] [0139] 図3に示すような別の態様において、本発明の方法は液体炭化水素原料前駆体を使用することができ、予備改質反応器314で水素化分解し、1態様では部分改質してガス状炭化水素原料とした後に水素分離水蒸気改質反応器301で改質して水素を生成し、固体酸化物型燃料電池305で発電するために利用することができる。前記方法を熱統合し、吸熱性の予備改質反応器314と改質反応器301を駆動するための熱を発熱性の固体酸化物型燃料電池305から予備改質反応器314及び/又は改質反応器301内に直接提供することができる。] 図3 [0140] 燃料電池305で発電できるように主に水素を含有する第1のガス流を燃料電池305のアノード307に提供するために、1個以上の高温水素分離膜303を含む水蒸気改質反応器301を固体酸化物型燃料電池305に作動的に連結する。液体炭化水素原料から改質反応器301にガス状炭化水素原料を提供するために予備改質反応器314を水蒸気改質反応器301に作動的に連結する。燃料電池305が反応器301で改質反応とシフト反応を推進するために必要な熱を改質反応器301に提供し、液体炭化水素原料前駆体を改質反応器301で改質可能なガス状炭化水素原料に変換するために必要な熱を予備改質反応器314に提供するように、燃料電池305を改質反応器301と予備改質反応器314に作動的に連結する。] [0141] この方法では、液体炭化水素を含有する水素源を含む原料前駆体を配管308から予備改質反応器314に供給することができる。原料前駆体は大気圧下に20℃で液体(場合により酸化形態)であり、大気圧下に400℃までの温度で気化可能な任意気化性炭化水素の1種以上を含有することができる。このような原料前駆体としては、限定されないが、50〜205℃の沸点をもつナフサ、ディーゼル及びケロセン等の低分子量石油留分が挙げられる。原料前駆体は場合によりメタン、エタン、プロパン、又は25℃でガス状である炭素原子数1〜4の他の化合物等の25℃でガス状の所定の炭化水素を含有することができる。好ましい1態様において、原料前駆体はディーゼル燃料とすることができる。配管312から水蒸気を予備改質反応器314に供給し、予備改質反応器314の予備改質領域316で原料前駆体と混合することができる。] [0142] 原料前駆体と水蒸気を250℃〜650℃の温度で予備改質反応器314に供給し、原料前駆体と水蒸気を下記のように熱交換器313で所望温度まで加熱することができる。以下に更に詳述するように、原料前駆体を予備改質反応器314で水素化分解及び気化させ、ガス状炭化水素原料を形成することができる。1態様では、原料前駆体を水素化分解及び気化させてガス状炭化水素原料を形成するにつれて部分的に改質することができる。予備改質反応器314からの原料と水蒸気を300℃〜650℃の温度で改質反応器301に供給することができる。] [0143] 熱交換器313で加熱する前、又は場合により熱交換器313で加熱後で予備改質反応器314に供給する前に原料前駆体を脱硫器321で脱硫し、原料前駆体が予備改質反応器314で触媒を汚染しないように原料前駆体から硫黄を除去することができる。従来の脱硫条件下で従来の水素化脱硫触媒と接触させることにより原料前駆体を脱硫器321で脱硫することができる。] [0144] 原料前駆体と水蒸気を予備改質反応器314の予備改質領域316に供給する。予備改質領域316には予備改質触媒を添加することができ、このような触媒を添加することが好ましい。予備改質触媒は従来の予備改質触媒でよく、当分野で公知の任意のものでよい。使用することができる典型的な予備改質触媒としては、限定されないが、VIII属遷移金属、特にニッケルと高温反応条件下で不活性な担体又は支持体が挙げられる。高温予備改質/水素化分解触媒用担体として使用するのに適した不活性化合物としては、限定されないが、α−アルミナとジルコニアが挙げられる。] [0145] 予備改質反応器314の予備改質領域316において原料前駆体を気化させて原料を形成するために有効な温度で原料前駆体と水蒸気を予備改質触媒と混合接触させる。予備改質反応器314において原料前駆体を気化させるために有効な温度で原料前駆体と水蒸気を予備改質触媒と混合接触させると、原料前駆体中の炭化水素を分解することができ、炭化水素の炭素鎖長が短くなり、分解した炭化水素を改質反応器301で容易に水蒸気改質することができる。1態様では、少なくとも600℃、又は700℃〜1000℃、又は700℃〜900℃の温度と、0.1MPa〜3MPa、好ましくは0.1MPa〜1MPa、又は0.2MPa〜0.5MPaの圧力で原料前駆体と水蒸気を予備改質触媒と混合接触させる。下記のように、夫々予備改質反応器314の予備改質領域316に延び、その内側に配置された1個以上の予備改質器アノード排気管320及び/又は1個以上の予備改質器カソード排気管322を通って燃料電池305のアノード排気流及び/又はカソード排気流から熱を供給し、吸熱性予備改質反応を推進する。] [0146] 1態様では、原料前駆体中の予備改質反応器314に供給される炭化水素量に対して過剰の水蒸気を予備改質反応器314に供給することができる。過剰の水蒸気は予備改質触媒が予備改質反応中にコークス化するのを防ぐことができる。予備改質反応器で生成された原料と共に過剰の水蒸気を予備改質反応器314から水蒸気改質反応器301に供給してもよく、改質反応器301に供給された水蒸気は改質反応器301で改質反応に使用し、改質反応器301でシフト反応に使用することができる。原料前駆体の量に対して予備改質反応器に供給する水蒸気の比は容量又はモル比で少なくとも2:1又は少なくとも3:1、又は少なくとも4:1、又は少なくとも5:1とすることができる。] [0147] 予備改質反応器314で気化され、場合により分解され、場合により部分改質された原料前駆体は改質反応器301に供給することができる原料を形成する。予備改質反応器314の予備改質領域316における温度及び圧力条件は予備改質反応器314で形成される原料が25℃で気体であり、一般に各分子の炭素数が1〜4の低分子量炭化水素を主に含有するように選択することができる。予備改質反応器で形成される原料としては、限定されないが、メタン、メタノール、エタン、エタノール、プロパン及びブタンが挙げられる。乾燥基準で少なくとも50容量%、又は少なくとも60容量%、又は少なくとも80容量%のメタンを含有する原料を生成するように予備改質反応器の温度と圧力を制御することが好ましい。1態様では、予備改質反応器314が原料前駆体を少なくとも部分的に改質するとき、予備改質反応器314から改質反応器301に供給される原料は水素と一酸化炭素を含有することができる。] [0148] 予備改質反応器314で原料が形成されると、原料と残りの水蒸気を350℃〜650℃の温度で予備改質反応器314から配管309により改質反応器301に供給することができ、原料と水蒸気は予備改質反応器314から改質反応器301に熱を輸送する。改質反応器301内の圧力が改質反応器301で生成される水素を改質反応器301に配置した高温水素分離膜303を通して改質反応器301から分離できるような圧力となるように、予備改質反応器314からの原料と水蒸気の混合物を改質反応器301に供給する前にコンプレッサー324で圧縮することができる。原料と水蒸気の混合物を少なくとも0.5MPa、又は少なくとも1MPa、又は少なくとも2MPa、又は少なくとも3MPaの圧力まで圧縮することができる。] [0149] 必要に応じて、熱交換器313で加熱した水蒸気から改質反応器301の改質領域315に付加水蒸気を供給することができる。付加水蒸気は配管311を通って熱交換器313から改質反応器301に供給することができる。熱交換器313から改質反応器301に供給される水蒸気の量を調節するために定量弁310を使用することができる。原料と水蒸気の混合物を予備改質反応器314とコンプレッサー324から改質反応器301に供給する圧力まで水蒸気を圧縮するためにコンプレッサー330を使用することができる。] [0150] 予備改質反応器314からの原料と水蒸気の混合物と、場合により熱交換器313からの付加水蒸気を改質反応器301の改質領域315に供給することができる。改質領域315には改質触媒を添加することができ、このような触媒を添加することが好ましい。改質触媒は従来の水蒸気改質触媒でよく、当分野で公知の任意のものでよい。使用することができる典型的な水蒸気改質触媒としては、限定されないが、VIII属遷移金属、特にニッケルが挙げられる。多くの場合には、耐火性担体(又は支持体)に改質触媒を担持することが望ましい。担体を使用する場合には、不活性化合物が好ましい。担体として使用するのに適した不活性化合物は周期表のIII属及びIV属の元素を含有する(例えばAl、Si、Ti、Mg、Ce及びZrの酸化物又は炭化物)。] [0151] 改質領域315において水素と炭素酸化物を含有する改質生成物ガスを形成するために有効な温度で原料と水蒸気を改質触媒と混合選択させる。改質生成物ガスは原料中の炭化水素を水蒸気改質することにより形成することができる。改質生成物ガスは原料中の一酸化炭素とのシフト反応により生成することもでき、及び/又は付加水蒸気による水蒸気改質により形成することもできる。改質生成物ガスは水素と少なくとも1種類の炭素酸化物を含有することができる。改質生成物ガスに含有することができる炭素酸化物としては一酸化炭素と二酸化炭素が挙げられる。] [0152] 本発明の方法の1態様では、改質生成物ガスが水素分離膜303と接触し、水素が膜壁323を透過し、管状膜303内に配置された水素導管325に到達するように配置された改質反応器301の改質領域315に1個以上の高温管状水素分離膜303を配置することができる。膜壁323は改質領域315内の改質生成物ガス、原料及び水蒸気の非水素化合物との気体連通から水素導管325を分離し、改質生成物ガス中の水素が膜壁323を透過して水素導管325に到達し、改質領域内の他のガスが水素導管325に到達するのを膜壁323により阻止されるように、元素及び/又は分子状の水素に選択的に透過性である。] [0153] 改質領域の高温管状水素分離膜303は選択的に水素透過性の金属又は合金の薄膜で被覆した支持体を含むことができる。支持体は水素透過性のセラミック又は金属材料から形成することができる。多孔質ステンレス鋼や多孔質アルミナが膜303の支持体に好ましい材料である。支持体を被覆する水素選択的金属又は合金はVIII属の金属から選択することができ、限定されないが、特に合金としてのPd、Pt、Ni、Ag、Ta、V、Y、Nb、Ce、In、Ho、La、Au及びRuが挙げられる。パラジウム及び白金合金が好ましい。本発明の方法で使用される特に好ましい膜303は多孔質ステンレス鋼支持体を被覆する表面積パラジウム合金超薄膜をもつ。この種の膜は米国特許第6,152,987号に開示されている方法を使用して製造することができる。大表面積の白金又は白金合金の薄膜も水素選択的材料として適していると思われる。] [0154] 膜壁323を通して改質反応器301の改質領域315から水素導管325に水素を流入させるように、改質反応器301の改質領域315内の圧力を管状膜303の水素導管325内の圧力よりも有意に高いレベルに維持する。1態様では、水素導管325を大気圧又はその付近に維持し、改質領域を少なくとも0.5MPa、又は少なくとも1.0MPa、又は少なくとも2MPa、又は少なくとも3MPaの圧力に維持する。上記のように、予備改質反応器からの水蒸気と原料の混合物をコンプレッサー324で圧縮し、原料と水蒸気の混合物を高圧で改質領域315に注入することにより、改質領域315をこのような高圧に維持することができる。あるいは、熱交換器313からの付加水蒸気をコンプレッサー330で圧縮し、高圧水蒸気を改質反応器301の改質領域315に注入することにより、改質領域315をこのような高圧に維持することができる。改質反応器301の改質領域315は少なくとも0.5MPa、又は少なくとも1.0MPa、又は少なくとも2.0MPa、又は少なくとも3.0MPaの圧力に維持することができる。] [0155] 原料と水蒸気を改質反応器301の改質領域315で改質触媒と混合接触させる温度は少なくとも400℃であり、好ましくは400℃〜650℃、最も好ましくは450℃〜550℃とすることができる。上記のように、水素は改質領域315から水素分離膜303の水素導管325に除去されるので、750℃を上回る温度で水素を生成する典型的な水蒸気改質反応と異なり、本発明の改質反応の平衡は400℃〜650℃の温度で運転する改質反応器301での水素生成を助長する。400℃〜650℃の動作温度はシフト反応も助長し、一酸化炭素と水蒸気をより多量の水素に変換した後、改質領域315から膜303の膜壁323を通して水素分離膜303の水素導管325に除去する。以下に更に詳述するように、燃料電池305排気流は改質反応器301の改質領域315における改質反応とシフト反応を誘導するために必要な熱を排気管317及び319から提供するために使用することができる。] [0156] 水素以外のガス流は改質領域315から配管327を通って除去することができ、水素以外のガス流は未反応原料、水素導管325に分離されなかった少量の水素、及び改質生成物ガス中の水素以外のガス状改質生成物を含有することができる。水素以外の改質生成物と未反応原料としては、二酸化炭素と、(水蒸気としての)水分と、少量の一酸化炭素及び未反応炭化水素が挙げられる。] [0157] 1態様では、改質領域315から分離される水素以外のガス流は乾燥基準で少なくとも0.9、又は少なくとも0.95、又は少なくとも0.98モル分率の二酸化炭素を含有する二酸化炭素ガス流とすることができる。二酸化炭素ガス流は少なくとも1MPa、又は少なくとも2MPa、又は少なくとも2.5MPaの圧力の高圧ガス流とすることができる。高圧二酸化炭素ガス流は改質反応器301から排出時に有意量の水分を水蒸気として含有している可能性がある。先ず水蒸気を配管327から熱交換器313に通し、予備改質反応器314に供給される水蒸気及び原料前駆体と熱交換し、高圧二酸化炭素ガス流を冷却することにより、高圧二酸化炭素ガス流から水分を分離することができる。次に、冷却した高圧二酸化炭素ガス流を1個以上の熱交換器329(1個を図示)で更に冷却し、水蒸気から水分を凝縮させることができ、冷却した高圧二酸化炭素流を熱交換器313から配管331により熱交換器329に送ることができる。乾燥した高圧二酸化炭素流を熱交換器329、又は一連の熱交換器329の最後の熱交換器329から配管333により除去することができる。熱交換器329で高圧二酸化炭素流から凝縮水を配管355によりコンデンサ351に供給することができる。] [0158] 乾燥した高圧二酸化炭素流をタービン335で膨張させ、タービン335を駆動し、低圧二酸化炭素流を生成することができる。タービン335は燃料電池305により発生される電力以外に電力を発生するために使用することができる。あるいは、コンプレッサー324、330、及び361等の1個以上のコンプレッサーを駆動するためにタービン335を使用してもよい。低圧二酸化炭素流は廃棄してもよいし、飲料の炭酸化に使用してもよい。] [0159] あるいは、高圧二酸化炭素流を低圧二酸化炭素流に変換せず、高圧二酸化炭素流を油層に注入することにより油層から油回収を強化するために使用してもよい。] [0160] 水素分離膜303の膜壁323に水素を選択的に透過させて水素分離膜303の水素導管325に到達させることにより改質反応器301で水素を含有する第1のガス流を改質生成物ガスから分離することができる。第1のガス流は非常に高濃度の水素を含有することができ、少なくとも0.6、又は少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9、又は少なくとも0.95、又は少なくとも0.98モル分率の水素を含有することができる。] [0161] 水蒸気を含有するスイープガスを配管337から水素導管325に注入し、水素を膜壁323から押出すことにより、水素分離膜303により改質領域315から水素を分離することが可能な速度を増すことができる。第1のガス流と水蒸気スイープガスは水素分離膜303と改質反応器301から水素出口配管339を通して除去することができる。] [0162] 第1のガス流と水蒸気スイープガスを水素出口配管339から熱交換器341に供給し、第1のガス流と水蒸気スイープガスを冷却することができる。第1のガス流と水蒸気スイープガスの混合流は改質反応器301から排出時に400℃〜650℃の温度、一般に450℃〜550℃の温度にすることができる。第1のガス流と水蒸気スイープガスの混合流は熱交換器341で初期原料前駆体及び水分/水蒸気と熱交換することができる。初期原料前駆体は配管343から熱交換器341に提供することができ、水分/水蒸気は配管345から熱交換器341に提供することができ、原料前駆体と水分の流速は夫々弁342及び344により調節することができる。加熱した原料前駆体と水蒸気を夫々配管347及び349から熱交換器313に供給し、上記のように予備改質反応器314に供給する前に更に加熱することができる。冷却した第1のガス流と水蒸気スイープガスの混合流を配管352からコンデンサ351に供給し、配管353からコンデンサ351に供給した水分と熱交換することにより混合流から水分を凝縮させ、凝縮水を高圧二酸化炭素ガス流から分離し、配管355によりコンデンサ351に供給することができる。] [0163] コンデンサ351で凝縮した水分と配管353及び355からコンデンサ351に供給した水分を水分トラップ配管357からポンプ359に送ることができ、熱交換器329に水分をポンプ輸送し、冷却した高圧二酸化炭素ガス流と熱交換し、冷却した高圧二酸化炭素ガス流を更に冷却しながら水分を加熱する。加熱した水分/水蒸気を上記のように配管345から熱交換器341に送り、更に加熱して水蒸気を生成し、熱交換器313で更に加熱後に予備改質反応器314に供給することができる。] [0164] 水素を含有し、水分を殆ど又は全く含有しない冷却後の第1のガス流をコンデンサ351から配管363を通してコンプレッサー361に供給することができる。第1のガス流は改質反応器から排出され、熱交換器341とコンデンサ351を経てコンプレッサー361に供給される際に大気圧又は大気圧付近の圧力にすることができる。燃料電池305に供給する前に第1のガス流の圧力を増加するように第1のガス流をコンプレッサー361で圧縮することができる。1態様では、第1のガス流を0.15MPa〜0.5MPa、好ましくは0.2MPa〜0.3MPaの圧力まで圧縮することができる。コンプレッサー361を駆動するように連結されたタービン335で高圧二酸化炭素流を膨張させることによりコンプレッサー361を駆動するためのエネルギーを提供することができる。] [0165] 次に、固体酸化物型燃料電池305のアノード307に配管367によりアノード入口365から第1のガス流を供給することができる。第1のガス流は燃料電池305においてアノード経路長に沿って1個以上のアノード電極で酸化剤と電気化学反応するように水素をアノード307に提供する。第1のガス流を燃料電池305のアノード307に供給する速度は原料と水蒸気を改質反応器301に供給する速度を選択することにより選択することができ、この速度は夫々定量弁342及び344を調節することにより制御することができる原料前駆体と水分を予備改質反応器314に供給する速度により選択することができる。] [0166] 水素を含有する第2のガス流も燃料電池305のアノード307に供給する。水素と水分を含有するアノード排気流から第2のガス流を分離することができる。アノードガス排気流から水分を凝縮させて水素を含有する第2のガス流を生成するために十分にアノード排気流を冷却することにより、第2のガス流をアノード排気流から分離することができる。] [0167] アノード排気流はアノード排気口369を通ってアノード307から排出される。予備改質反応器314で水蒸気及び原料前駆体と熱交換すること、及び/又は改質反応器301で水蒸気及び原料と熱交換することにより先ずアノード排気流を冷却することができる。] [0168] 1態様では、改質反応器301の改質領域315内に延び、その内側に配置される1個以上の改質器アノード排気管319に配管373からアノード排気流を供給することができる。以下に更に詳述するように、アノード排気流が改質器アノード排気管319内で改質領域315を通過するにつれて改質反応器301の改質領域315でアノード排気流と原料及び水蒸気の間で熱交換し、反応器301でアノード排気流を冷却すると共に、水蒸気と原料を加熱することができる。] [0169] 1態様では、予備改質反応器314の予備改質領域316内に延び、その内側に配置される1個以上の予備改質器アノード排気管320に配管372から供給することにより先ずアノード排気流を冷却することができる。以下に更に詳述するように、アノード排気流が予備改質器アノード排気管320内で予備改質領域316を通過するにつれて予備改質反応器314の予備改質領域316でアノード排気流と原料前駆体及び水蒸気の間で熱交換し、予備改質反応器314でアノード排気流を冷却すると共に、水蒸気と原料前駆体を加熱することができる。] [0170] 1態様では、上記のように、夫々改質器アノード排気管319と予備改質器アノード排気管320から改質反応器301と予備改質反応器314の両方に供給することにより先ずアノード排気流を冷却することができる。アノード排気が改質器アノード排気管319内で改質領域315を通過するにつれて改質反応器301の改質領域315で原料及び水蒸気と熱交換することにより、アノード排気流の一部を改質反応器301で冷却することができる。アノード排気が予備改質器アノード排気管320内で予備改質領域316を通過するにつれて予備改質反応器314の予備改質領域316で原料前駆体及び水蒸気と熱交換することにより、アノード排気の残余を予備改質反応器314で冷却することができる。] [0171] 別の態様では、先ず予備改質反応器314に供給した後に、予備改質反応器314から改質反応器301に供給することにより、先ずアノード排気流を冷却することができる。アノード排気流をアノード排気口369から配管372により予備改質器アノード排気管320に供給し、予備改質反応器314の予備改質領域316で原料前駆体及び水蒸気と熱交換することにより冷却することができる。次にアノード排気流を予備改質器アノード排気管320から配管374により改質反応器301に供給し、アノード排気流を改質器アノード排気管319に供給し、アノード排気流が改質器アノード排気管319を通過するにつれて改質反応器301の改質領域315で原料及び水蒸気と熱交換することにより更に冷却することができる。予備改質反応には改質反応よりも多量の熱が必要であり、改質反応器301の改質領域315に配置された高温水素分離膜303の熱損傷を避けるために予備改質反応よりも低温で改質反応を実施できるので、夫々の予備改質反応と改質反応を推進するためには、先ず予備改質反応器314で原料前駆体及び水蒸気と熱交換した後に改質反応器301で原料及び水蒸気と熱交換することによりアノード排気流を冷却すると特に有効であると思われる。] [0172] 改質反応器301及び/又は予備改質反応器314に送られるアノード排気流の量を制御するために定量弁370及び371を使用することができる。改質反応器301又は予備改質反応器314へのアノード排気流の流量を選択するために定量弁370及び371を調節することができる。予備改質器アノード排気管320から改質器アノード排気管319へのアノード排気流の流量又は下記のように改質器アノード排気管319から排出される冷却アノード排気流と混合する予備改質器アノード排気管320からのアノード排気流の流量を制御するために弁368を使用することができる。] [0173] 冷却アノード排気流は改質器アノード排気管319及び/又は予備改質器アノード排気管320から排出され、更に冷却され、アノード排気流中の水分から水素を含有する第2のガス流を分離することができる。予備改質反応器314から排出される冷却アノード排気流を改質反応器301で更に熱交換するために改質器アノード排気管319に送らない場合には、予備改質反応器314からの冷却アノード排気流を更に冷却するために配管378及び382から熱交換器341に送ることができる。冷却アノード排気流が改質反応器301から排出される場合には、冷却アノード排気流を更に冷却するために配管382から熱交換器341に送ることができる。改質反応器301と予備改質反応器314の両者から排出される冷却アノード排気流を配管382内で混合し、更に冷却するために熱交換器341に送ることができる。改質器アノード排気管319、予備改質器アノード排気管320、又は両者から排出される冷却アノード排気流を熱交換器341で配管343からの原料前駆体及び配管345からの水蒸気と熱交換することにより更に冷却する。] [0174] 1態様では、燃料電池305への第2のガス流の流速を制御するために、アノード排気流の少なくとも一部を熱交換器341から配管376によりコンデンサ375に送り、アノード排気流の選択部分に含まれる水分から水素を分離することができる。コンデンサ375でアノード排気流から水分を凝縮させることにより、アノード排気流の選択部分から水素を分離することができる。分離した水素を配管379から水素貯蔵タンク377に供給することができる。コンデンサ375からの凝縮水は配管380によりポンプ359に供給することができる。] [0175] 水素タンク377で分離するためにコンデンサ375に供給されない冷却アノード排気流は燃料電池305に第2のガス流を提供するために使用される。配管381を通して配管352にアノード排気流を供給することにより、熱交換器341から排出されるアノード排気流を第1のガス流及び水蒸気スイープガスと混合することができる。次にアノード排気流と第1のガス流と水蒸気スイープガスの混合流をコンデンサ351に供給し、アノード排気流を更に冷却することができる。アノード排気流から水分を凝縮させることにより得られた第2のガス流をコンデンサ351から配管363により分離し、第1のガス流と混合することができる。第2のガス流は少なくとも0.6、又は少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9、又は少なくとも0.95、又は少なくとも0.98モル分率の水素を含有することができ、第2のガス流の水素含量は冷却アノード排気流の水素含量を乾燥基準で測定することにより測定できる。アノード排気流からの水分をコンデンサ351で第1のガス流及び水蒸気スイープガスからの水分と共に凝縮させ、コンデンサ351から配管357により除去し、ポンプ359に供給することができる。] [0176] 固体酸化物型燃料電池305への第2のガス流の流速を選択するために定量弁383及び385を使用することができる。固体酸化物型燃料電池305への第2のガス流の流速は固体酸化物型燃料電池305への第2のガス流の流速を調節するコンデンサ351へのアノード排気流の流速を調節するように弁383及び385を連携調節することにより選択することができる。弁383を全閉し、コンデンサ375へのアノード排気流の流れと水素タンク377への水素の流れを遮断し、弁385を全開し、全アノード排気流をコンデンサ351に送り、第2のガス流を最大流速で固体酸化物型燃料電池305に送ることができる。好ましい1態様では、アノード排気流の水分及び/又は水素含量に応じて定量弁383及び385を自動調節することにより選択された速度に燃料電池305への第2のガス流の流速を自動制御することができる。] [0177] 1態様では、第1及び第2のガス流の混合流の小部分をブリード流として水素分離装置387に通し、第1のガス流の生成とその後の第2のガス流への再循環時に改質反応器301で水素分離膜303による炭素酸化物からの不完全な水素分離の結果として第1及び第2のガス流中に存在する可能性のある少量の炭素酸化物を除去することができる。水素分離装置387へのブリード流の流量を制御するために弁389及び391を利用することができ、好ましくは弁389及び391は配管393及び395に同時に、あるいは、配管393又は配管395に別々に第1及び第2のガス流を定量分配することができる。水素分離装置387は炭素酸化物から水素を分離するために有効な圧力変動吸着装置が好ましいが、上記のもの等の選択的に水素透過性の膜でもよい。配管395及び397内の第1及び第2のガス流を混合し、配管367により固体酸化物型燃料電池305に供給することができる。] [0178] 方法の1態様において、第1及び第2のガス流の混合流の温度と圧力は固体酸化物型燃料電池305の有効な運転に合わせて選択することができる。特に、温度は燃料電池の電気化学反応性を阻害するほど低くすべきではなく、燃料電池305に無制御な発熱反応を誘導するほど高くすべきではない。1態様において、燃料電池305に供給される第1及び第2のガス流の混合流の温度は25℃〜300℃、又は50℃〜200℃、又は75℃〜150℃とすることができる。第1及び第2のガス流の混合流の圧力はコンプレッサー361により制御することができ、0.15MPa〜0.5MPa、又は0.2MPa〜0.3MPaとすることができる。] [0179] 配管403によりカソード入口401から燃料電池のカソード399に酸素含有ガス流を供給することができる。酸素含有ガス流はエアーコンプレッサー又は酸素タンク(図示せず)により提供することができる。1態様において、酸素含有ガス流は空気又は純酸素とすることができる。別の態様において、酸素含有ガス流は少なくとも21%の酸素を含有する酸素リッチな空気とすることができ、酸素リッチな空気流は燃料電池でイオン酸素に変換するための酸素の含有量が多いため、酸素リッチな空気流は固体酸化物型燃料電池で空気よりも高い電気効率を提供する。] [0180] 燃料電池305のカソード399に供給する前に酸素含有ガス流を加熱することができる。1態様では、配管409によりカソード排気口407から熱交換器405に提供されるカソード排気の一部と熱交換することにより、熱交換器405で燃料電池305のカソード399に供給する前に酸素含有ガス流を150℃〜350℃の温度まで加熱することができる。熱交換器405へのカソード排気流の流速は定量弁411で制御することができる。あるいは、酸素含有ガス流を電気ヒーター(図示せず)で加熱してもよいし、酸素含有ガス流を加熱せずに燃料電池305のカソード399に提供してもよい。] [0181] 本発明の方法のこの態様で使用される固体酸化物型燃料電池305は好ましくは管状又は平坦形状をもつ従来の固体酸化物型燃料電池とすることができ、アノード307とカソード399と電解質413から構成され、電解質413はアノード307とカソード399の間に挿入される。固体酸化物型燃料電池は燃料が積層型燃料電池のアノードを流れ、酸素含有ガスが積層型燃料電池のカソードを流れるように積層され、中間層により電気的に結合され、作動的に接続された複数の個別の燃料電池から構成することができる。固体酸化物型燃料電池は単独の固体酸化物型燃料電池でもよいし、作動的に接続又は積層された複数の固体酸化物型燃料電池でもよい。1態様において、アノード307はNi/ZrO2サーメットから形成され、カソード399は酸化プラセオジムを含浸させ、SnOドープIn2C3で被覆したドープ亜マンガン酸ランタン又は安定化ZrO2から形成され、電解質413はイットリア安定化ZrO2(約8モル% Y2O3)から形成される。積層された個々の燃料電池又は管状燃料電池間の中間層はドープ亜クロム酸ランタンとすることができる。] [0182] 固体酸化物型燃料電池305は第1及び第2のガス流がアノード入口365からアノード排気口369まで燃料電池305のアノード307を流れ、アノード入口365からアノード排気口369までアノード経路長全体にわたって1個以上のアノード電極と接触するように構成される。燃料電池305は更に酸素含有ガスがカソード入口401からカソード排気口407までカソード399を流れ、カソード入口401からカソード排気口407までカソード経路長全体にわたって1個以上のカソード電極と接触するように構成される。電解質413は第1及び第2のガス流がカソードに流入するのを防ぎ、酸素含有ガスがアノードに流入するのを防ぎ、1個以上のアノード電極で第1及び第2のガス流中の水素と電気化学反応させるためにイオン酸素をカソードからアノードに移送するように燃料電池305に配置されている。] [0183] 固体酸化物型燃料電池305はイオン酸素が燃料電池305のカソード399からアノード307まで電解質413を横断できるようにするために有効な温度で運転される。固体酸化物型燃料電池305は700℃〜1100℃、又は800℃〜1000℃の温度で運転することができる。1個以上のアノード電極におけるイオン酸素による水素の酸化は非常に発熱性の反応であり、反応熱は固体酸化物型燃料電池305を運転するために必要な熱を生成する。固体酸化物型燃料電池305を運転する温度は第1のガス流の温度、第2のガス流の温度及び酸素含有ガス流の温度と、これらのガス流を燃料電池305に供給する流速を独立して制御することにより制御することができる。1態様では、固体酸化物型燃料電池の動作温度を700℃〜1000℃、好ましくは800℃〜900℃に維持するように、第2のガス流の温度を最大で150℃の温度に制御し、酸素含有ガス流の温度を最大で300℃の温度に制御し、第1のガス流の温度を最大で150℃の温度に制御する。] [0184] 燃料電池305の運転を開始するためには、燃料電池305をその動作温度まで加熱する。好ましい1態様では、触媒部分酸化改質反応器433で水素含有ガス流を生成し、水素含有ガス流を配管435により固体酸化物型燃料電池のアノード307に供給することにより、固体酸化物型燃料電池305の運転を開始することができる。炭化水素原料に対して化学量論的量よりも少量の酸素源を触媒部分酸化改質反応器433に供給し、炭化水素原料と酸素源を触媒部分酸化改質反応器433で従来の部分酸化改質触媒の存在下に燃焼させることにより触媒部分酸化改質反応器433で水素含有ガス流を生成することができる。] [0185] 触媒部分酸化改質反応器433に供給される炭化水素原料は液体もしくはガス状炭化水素、又は炭化水素混合物とすることができ、メタン、天然ガス、又は低分子量炭化水素もしくは低分子量炭化水素の混合物が好ましい。本発明の方法の特に好ましい1態様において、触媒部分酸化改質反応器433に供給される炭化水素原料は方法の実施に必要な炭化水素原料数を減らすために、予備改質反応器314で使用される原料前駆体と同一種の原料とすることができる。] [0186] 触媒部分酸化改質反応器433に供給される酸素含有原料は純酸素、空気、又は酸素リッチな空気とすることができる。酸素含有原料は触媒部分酸化改質反応器433で炭化水素原料と燃焼させるために炭化水素原料に対して化学量論的量よりも少量を触媒部分酸化改質反応器433に供給すべきである。] [0187] 触媒部分酸化改質反応器433で炭化水素原料と酸素含有ガスの燃焼により形成される水素含有ガス流は、燃料電池305のアノード307においてアノード電極の1個以上で酸化剤との接触により酸化させることが可能な化合物(水素と一酸化炭素を含む)と、他の化合物(例えば二酸化炭素)を含有する。触媒部分酸化改質反応器433からの水素含有ガス流は燃料電池305のアノード307で1個以上のアノード電極を酸化する可能性のある化合物を含有しないことが好ましい。] [0188] 触媒部分酸化改質反応器433で形成された水素含有ガス流は高温であり、少なくとも700℃、又は700℃〜1100℃、又は800℃〜1000℃の温度であり得る。本発明の方法では固体酸化物型燃料電池305の始動を開始するために触媒部分酸化改質反応器433からの高温水素ガス流を使用すると、燃料電池305の温度をほぼ瞬時に燃料電池305の動作温度まで上昇させることができるので好ましい。1態様では、熱交換器405において触媒部分酸化改質反応器433からの高温水素含有ガスと燃料電池305の運転開始時に燃料電池305のカソード399に供給される酸素含有ガスの間で熱交換することができる。] [0189] 燃料電池305の動作温度に達すると、弁441を開いて第1のガス流を改質反応器301からアノード307に供給し、酸素含有ガス流を燃料電池305のカソード399に供給しながら、触媒部分酸化改質反応器433から燃料電池305への高温水素含有ガス流の流入を弁439により遮断することができる。その後、本発明の方法に従って燃料電池の連続運転を実施することができる。] [0190] 別の態様(図3には示さず)では、第1のガス流を燃料電池に導入する前に水素貯蔵タンク377からの水素始動ガス流を始動ヒーターに通して燃料電池をその動作温度まで上昇させることにより、燃料電池305の運転を開始することができる。水素貯蔵タンクは固体酸化物型燃料電池のアノードに水素始動ガス流を導入できるように、燃料電池と作動的に接続することができる。始動ヒーターは水素始動ガス流を750℃〜1000℃の温度まで間接的に加熱することができる。始動ヒーターは電気ヒーターでもよいし、燃焼ヒーターでもよい。燃料電池の動作温度に達すると、燃料電池への水素始動ガス流の流入を弁により遮断することができ、第1のガス流を燃料電池に導入して燃料電池の連続運転を開始することができる。] 図3
权利要求:
請求項1 水素を含有する第1のガス流を選択された速度で固体酸化物型燃料電池のアノードに供給する段階と;水素を含有する第2のガス流を選択された速度で固体酸化物型燃料電池のアノードに供給する段階と;アノードにおいては、固体酸化物型燃料電池の1個以上のアノード電極において第1のガス流及び第2のガス流を酸化剤と混合し、少なくとも0.4W/cm2の電力密度で発電する段階と;水素及び水分を含有するアノード排気流を固体酸化物型燃料電池のアノードから分離する段階と;第2のガス流をアノード排気流から分離する段階であって、前記第2のガス流がアノード排気流から分離された水素を含有する該段階と;を含み、燃料電池で形成される水分量とアノード排気流中の水素量との比が最大で1.0となるように、第1のガス流及び第2のガス流をアノードに供給する速度を独立して選択する発電方法。 請求項2 燃料電池で形成される水分量とアノード排気流中の水素量との比が最大で0.75、又は最大で0.67、又は最大で0.43、又は最大で0.25、又は最大で0.11となるように、第1のガス流及び第2のガス流をアノードに供給する速度を独立して選択する請求項1に記載の方法。 請求項3 第1のガス流が少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9、又は少なくとも0.95モル分率の水素を含有するように選択される請求項1又は2に記載の方法。 請求項4 第1のガス流が最大で0.15、又は最大で0.10、又は最大で0.05モル分率の炭素酸化物を含有するように選択される請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。 請求項5 アノードに供給される第2のガス流が少なくとも0.9、又は少なくとも0.95モル分率の水素を含有している請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。 請求項6 水素を含有する第1のガス流を選択された速度で固体酸化物型燃料電池のアノードに供給する段階と;水素を含有する第2のガス流を選択された速度で固体酸化物型燃料電池のアノードに供給する段階と;アノードにおいては、固体酸化物型燃料電池の1個以上のアノード電極において第1のガス流及び第2のガス流を酸化剤と混合し、少なくとも0.4W/cm2の電力密度で発電する段階と;水素及び水分を含有するアノード排気流を固体酸化物型燃料電池のアノードから分離する段階と;第2のガス流をアノード排気流から分離する段階であって、前記第2のガス流がアノード排気流からの水素を含有する該段階と;を含み、アノード排気流が少なくとも0.6モル分率の水素を含有するように、第1のガス流及び第2のガス流をアノードに供給する速度を独立して選択する発電方法。 請求項7 アノード排気流が少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9モル分率の水素を含有するように、第1のガス流及び第2のガス流をアノードに供給する速度を独立して選択する請求項6に記載の方法。 請求項8 第1のガス流が少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9、又は少なくとも0.95モル分率の水素を含有するように選択される請求項6又は7に記載の方法。 請求項9 第1のガス流が最大で0.15、又は最大で0.10、又は最大で0.05モル分率の炭素酸化物を含有するように選択される請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。 請求項10 アノードに供給される第2のガス流が少なくとも0.9、又は少なくとも0.95モル分率の水素を含有する請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。 請求項11 水素源を含有する第1のガス流を選択された速度で固体酸化物型燃料電池のアノードに供給する段階と;水素を含有する第2のガス流を選択された速度で固体酸化物型燃料電池のアノードに供給する段階と;アノードにおいて第1のガス流を改質し、水素を得る段階と;アノードにおいては、固体酸化物型燃料電池の1個以上のアノード電極において前記改質した第1のガス流、及び前記第2のガス流を酸化剤と混合し、少なくとも0.4W/cm2の電力密度で発電する段階と;水素及び水分を含有するアノード排気流を固体酸化物型燃料電池のアノードから分離する段階と;第2のガス流をアノード排気流から分離する段階であって、前記第2のガス流が前記アノード排気流からの水素を含有する該段階と;を含み、燃料電池で形成される水分量とアノード排気流中の水素量との比が最大で1.0となるように、第1のガス流及び第2のガス流をアノードに供給する速度を独立して選択する発電方法。 請求項12 燃料電池で形成される水分量とアノード排気流中の水素量との比が最大で0.75、又は最大で0.67、又は最大で0.43、又は最大で0.25、又は最大で0.11となるように、第1のガス流及び第2のガス流をアノードに供給する速度を独立して選択する請求項11に記載の方法。 請求項13 第1のガス流の水素源が炭化水素を含有する請求項11又は12に記載の方法。 請求項14 第1のガス流が更に水蒸気を含有する請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。 請求項15 アノードに供給される第2のガス流が少なくとも0.8、又は少なくとも0.9、又は少なくとも0.95モル分率の水素を含有する請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题 US10005664B2|2018-06-26|Method and system for producing a synthesis gas using an oxygen transport membrane based reforming system with secondary reforming and auxiliary heat source US9839899B2|2017-12-12|Method and system for producing methanol using an integrated oxygen transport membrane based reforming system EP2973819B1|2018-10-31|Integration of molten carbonate fuel cells in fischer-tropsch synthesis CA2397682C|2010-06-01|Multipurpose reversible electrochemical system DE69811467T3|2008-01-17|Synthesegasherstellung mittels leitenden Mischmembranen EP1540760B1|2011-07-13|Power generation apparatus US9590260B2|2017-03-07|Integral reactor system and method for fuel cells US5897970A|1999-04-27|System for production of high-purity hydrogen, process for production of high-purity hydrogen, and fuel cell system DE69822028T2|2004-12-30|Verfahren zur Herstellung eines oxidierten Produkts US7264897B2|2007-09-04|Fuel cell system AU760235B2|2003-05-08|Solid oxide fuel cell which operates with an excess of fuel US5346779A|1994-09-13|Fuel reforming method and apparatus for power generation system using fuel cells JP4515253B2|2010-07-28|燃料電池システム CA2561025C|2014-09-16|Fuel processing method and system KR100762685B1|2007-10-04|개질기 및 이를 채용한 연료전지 시스템 KR101795082B1|2017-11-07|연료 전지의 시동과 정지에 사용 가능한 가스 발생 장치 US7354566B2|2008-04-08|Fuel gas production method and apparatus Laosiripojana et al.2009|Reviews on solid oxide fuel cell technology US7201979B2|2007-04-10|SORFC system and method with an exothermic net electrolysis reaction US8574775B2|2013-11-05|Fuel cell system and method for starting up the same US8057944B2|2011-11-15|Hybrid reformer for fuel flexibility JP5164441B2|2013-03-21|燃料電池システムの起動方法 JP4745618B2|2011-08-10|燃料電池構造体の運転方法 EP1893858B1|2017-04-12|Reforming process for production of hydrogen from hydrocarbon fuel US20040131912A1|2004-07-08|Enhanced solid oxide fuel cell systems
同族专利:
公开号 | 公开日 TW200941814A|2009-10-01| CA2708439A1|2009-06-25| EP2220711A1|2010-08-25| WO2009079436A1|2009-06-25| AU2008338510A1|2009-06-25| WO2009079436A9|2010-08-05| BRPI0820847A2|2015-06-16| US20090155638A1|2009-06-18| CN101919098A|2010-12-15|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题 WO2004025767A2|2002-09-13|2004-03-25|Prototech As|Power generation apparatus| US20050106429A1|2003-11-19|2005-05-19|Questair Technologies Inc.|High efficiency load-following solid oxide fuel cell systems|JP2016149250A|2015-02-12|2016-08-18|株式会社デンソー|燃料電池装置| JP6017660B1|2015-10-26|2016-11-02|東京瓦斯株式会社|Fuel cell system| JP2018085242A|2016-11-24|2018-05-31|東京瓦斯株式会社|Fuel cell system|US4128700A|1977-11-26|1978-12-05|United Technologies Corp.|Fuel cell power plant and method for operating the same| US4729931A|1986-11-03|1988-03-08|Westinghouse Electric Corp.|Reforming of fuel inside fuel cell generator| US5938800A|1997-11-13|1999-08-17|Mcdermott Technology, Inc.|Compact multi-fuel steam reformer| US7097925B2|2000-10-30|2006-08-29|Questair Technologies Inc.|High temperature fuel cell power plant| US7128769B2|2002-06-27|2006-10-31|Idatech, Llc|Methanol steam reforming catalysts, steam reformers, and fuel cell systems incorporating the same| AU2004215406A1|2003-02-24|2004-09-10|Texaco Development Corporation|Diesel steam reforming with CO2 fixing| US7217303B2|2003-02-28|2007-05-15|Exxonmobil Research And Engineering Company|Pressure swing reforming for fuel cell systems| KR20060017601A|2003-05-06|2006-02-24|이 아이 듀폰 디 네모아 앤드 캄파니|생화학적으로 유도된 1,3-프로판디올의 수소화| US7422810B2|2004-01-22|2008-09-09|Bloom Energy Corporation|High temperature fuel cell system and method of operating same| US7591880B2|2005-07-25|2009-09-22|Bloom Energy Corporation|Fuel cell anode exhaust fuel recovery by adsorption| US7713642B2|2005-09-30|2010-05-11|General Electric Company|System and method for fuel cell operation with in-situ reformer regeneration| KR100762685B1|2005-11-10|2007-10-04|삼성에스디아이 주식회사|개질기 및 이를 채용한 연료전지 시스템| EP2011183B1|2006-04-03|2016-06-08|Bloom Energy Corporation|Fuel cell system and balance of plant configuration|CN106450391A|2016-11-28|2017-02-22|苏州氢洁电源科技有限公司|一种新型甲醇重整制氢用的催化剂排布方式|
法律状态:
2011-01-07| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110106 | 2011-12-09| A621| Written request for application examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111208 | 2013-05-10| A977| Report on retrieval|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130510 | 2013-11-26| A02| Decision of refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20131126 |
优先权:
[返回顶部]
申请号 | 申请日 | 专利标题 相关专利
Sulfonates, polymers, resist compositions and patterning process
Washing machine
Washing machine
Device for fixture finishing and tension adjusting of membrane
Structure for Equipping Band in a Plane Cathode Ray Tube
Process for preparation of 7 alpha-carboxyl 9, 11-epoxy steroids and intermediates useful therein an
国家/地区
|